早稲田大学 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 2023年度 数学一般 問題1
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Kai
(1)
与えられた微分方程式の右辺を \(0\) とした方程式に \(y = e^{\lambda t}\) ( \(\lambda\) は \(t\) によらない定数)を代入すると、 \((\lambda + 2)^2 = 0\) を得るので、 この微分方程式の一般解は、積分定数を \(A, B\) として、
\[
\begin{aligned}
y(t) = (A+Bt) e^{-2t}
\end{aligned}
\]
である。 与えられた微分方程式に \(y = C e^t\) ( \(C\) は \(t\) によらない定数)を代入すると、 \(C = 1/9\) を得るので、 \(y(t) = (1/9) e^t\) は特殊解である。 よって、与えられた微分方程式の一般解は、積分定数を \(A, B\) として、
\[
\begin{aligned}
y(t) = (A+Bt) e^{-2t} + \frac{1}{9} e^t
\end{aligned}
\]
である。
[参考] 千葉逸人「工学部で学ぶ数学」
(2)
(i) まず、被積分関数が \(0\) になるので \(b_0=0\) であり、 被積分関数が奇関数になるので \(n = 1, 2, \cdots\) について \(b_n=0\) である。 次に、
\[
\begin{aligned}
a_0
&= \int_{-1}^1 x^2 \ dx
= \frac{2}{3}
\end{aligned}
\]
また、 \(n = 1, 2, \cdots\) について
\[
\begin{aligned}
a_n
&= \int_{-1}^1 x^2 \cos (n \pi x) dx
\\
&= \frac{1}{n \pi} \left[ x^2 \sin (n \pi x) \right]_{-1}^1
- \frac{2}{n \pi} \int_{-1}^1 x \sin (n \pi x) dx
\\
&= - \frac{2}{n^2 \pi^2} \left[ x \cos (n \pi x) \right]_{-1}^1
+ \frac{2}{n^2 \pi^2} \int_{-1}^1 \cos (n \pi x) dx
\\
&= \frac{4 \cdot (-1)^n}{n^2 \pi^2}
\end{aligned}
\]
(ii) 今の場合のフーリエ級数展開の式は
\[
\begin{aligned}
x^2 = \frac{1}{3}
+ \frac{4}{\pi^2} \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n}{n^2} \cos (n \pi x)
\end{aligned}
\]
となるので、 \(x=1\) として、
\[
\begin{aligned}
1 &= \frac{1}{3} + \frac{4}{\pi^2} \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}
\\
\therefore \ \
\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2} &= \frac{\pi^2}{6}
\end{aligned}
\]
を得る。