Skip to content

東京大学 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 2022年度 専門基礎科目 3.2 確率・統計

Author

之遥, 祭音Myyura

Description

問1

国民の \(0.1\%\) が感染症に感染しているとする。ある検査は、検査を受けた感染者の \(80\%\) を陽性と判定する。 しかし、この検査は、検査を受けた非感染者の \(0.2\%\) を陽性と誤って判定してしまう。国民から無作為に抽出された \(1\) 名がこの検査で陽性と判定されたとき、感染している確率はいくらか。 以下の選択肢のうちで最も近いものを \(1\) つ選べ。計算過程は示さなくてよい。

\[ \begin{aligned} &(a)0.2,\quad(b)0.3,\quad(c)0.4,\quad(d)0.5, \\ &(e)0.6,\quad(f)0.7,\quad(g)0.8,\quad(h)0.9, \\ \end{aligned} \]

問2

確率変数 \(X_1, X_2, \dots, X_n\) は互いに独立で、同一の確率密度関数

\[ f(x) = \left\{ \begin{aligned} &\lambda e^{-\lambda x},&x \ge 0 \\ &0 ,&x < 0 \end{aligned} \right. \]

に従うとする。ただし、\(e\) は自然対数の底、\(\lambda\) は正のパラメータである。このとき、以下の問に答えよ。(1)、(2)、(3) については、導出の過程を省略し、答えのみ示せ。(4) と (5) は、答えに加えて導出の過程も示せ。

(1) 確率変数 \(X_1\) の期待値 \(E[X_1]\) と分散 \(V[X_1]\) を考える。\(E[X_1] = a\lambda^{b}\) および \(V[X_1] = c\lambda^{d}\) を満たす定数 \(a, b, c, d\) を求めよ。

(2) 標本 \(X_1, X_2, \dots, X_n\) に基づく、パラメータ \(\lambda\) についての最尤推定量を求めよ。

(3) 確率変数 \(S_2 = X_1 + X_2, S_3 = X_1 + X_2 + X_3\) を考える。\(S_2, S_3\) の確率密度関数 \(f_{S_2}(x), f_{S_3}(x)\) を求めよ。

(4) \(n\) 個の確率変数の和、すなわち、\(S_n = \sum_{k=1}^n X_k\) を考える。\(S_n\) の確率密度関数 \(f_{S_n}(x)\) を導出せよ。以下の公式を用いてもよい。

\[ m! = \int_0^{\infty}t^{m}e^{-t}\text{d}t \]

ただし、\(m\) は自然数、\(t\) は実数、\(m! = m \cdot (m-1) \cdots 2 \cdot 1\)\(m\) の階乗である。

(5) (2) で求めた最尤推定量が不偏推定量であること、あるいは、そうではないことを示せ。

Kai

問1

(b)

問2

(1)

\[ a = 1,b = -1,c = 1,d = -2 \]

(2)

\[ \hat{\lambda} = \frac{n}{X_1 + X_2 + \cdots + X_n} \]

(3)

\[ f_{s_2}(x) = \left\{ \begin{aligned} &e^{-\lambda x} \lambda ^2 x ,x \ge 0 \\ &0,\text{otherwise} \end{aligned} \right. , f_{s_3}(x) = \left\{ \begin{aligned} &e^{-\lambda x} \frac{\lambda ^3 x^2}{2} ,x \ge 0 \\ &0,\text{otherwise} \end{aligned} \right. \]

(4)

Erlang distribution, see here for details.

\[ f_{S_n}(x) = \left\{ \begin{aligned} &\lambda e^{-\lambda x} \frac{(\lambda x)^{n - 1}}{(n - 1)!} , &x \ge 0 \\ &0, &\text{otherwise} \end{aligned} \right. \]

(5)

\[ \begin{aligned} E[\hat{\lambda}] &= E[\frac{n}{X_1 + X_2 + \cdots + X_n}] = nE[\frac{1}{S_n}] \\ &= n\int_0^{\infty}\frac{1}{x} e^{-\lambda x} \frac{\lambda ^n x^{n-1}}{(n - 1)!}\text{d}x \\ &= n \int_0^{\infty} e^{-\lambda x} \frac{\lambda ^n x^{n-2}}{(n - 1)!}\text{d}x \\ &= \frac{n\lambda}{(n-1)!}\int_0^{\infty}e^{-\lambda x}(\lambda x)^{n-2}\text{d}(\lambda x) \\ &= \frac{n\lambda}{(n-1)!}(n-2)! = \frac{n\lambda}{n - 1} \neq \lambda \end{aligned} \]