東京大学 工学系研究科 2021年度 数学3
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Kai
I.
1.
\(M(z)=z\) を整理すると、\((m-1)z(z-1)=0\)であり、 \(m \ne 0\) なので、 \(z=0,1\) を得る。 実際、 \(M(0)=0, M(1)=1\) である。
2.
\[
\begin{aligned}
\frac{dM(z)}{dz}
&= \frac{m(mz-z+1) - mz(m-1)}{(mz-z+1)^2}
\\
&= \frac{m}{(mz-z+1)^2}
\\
\therefore \ \
\frac{dM(0)}{dz} &= m
\end{aligned}
\]
3.
II.
\(0\) でない複素数 \(z\) を極形式で \(z=re^{i \theta} \ \ (r \gt 0, 0 \leq \theta \lt 2 \pi)\) と表すと、
\[
\begin{aligned}
J(z)
&= e^{-i \alpha} z + e^{i \alpha} z^{-1}
\\
&= r e^{i (\theta - \alpha)} + \frac{1}{r} e^{-i (\theta - \alpha)}
\\
&= \left( r + \frac{1}{r} \right) \cos (\theta - \alpha) + i \left( r - \frac{1}{r} \right) \sin (\theta - \alpha)
\end{aligned}
\]
なので、これの虚部
\[
\begin{aligned}
\left( r - \frac{1}{r} \right) \sin (\theta - \alpha)
\end{aligned}
\]
が正となるのは、「 \(r \gt 1\) かつ \(\alpha \lt \theta \lt \alpha + \pi\)」 または「\(r \lt 1\) かつ \(0 \lt \theta \lt \alpha, \alpha + \pi \lt \theta \lt 2 \pi\) 」 のときである。