東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2017年度 第2問
Author
Description
2 枚のコイン \(A\), \(B\) がある。 \(A\) を投げたとき表の出る確率は \(\theta_A \ (0 < \theta_A < 1)\), \(B\) を投げたとき表の出る確率は \(\theta_B \ (0 < \theta_B < 1)\) である。 どちらかのコインを投げ、表が出たら次も同じコインを投げ、裏が出たら次はもう一方のコインを投げる、というルールに従ってコインを \(n\) 回投げる。 1 回目に投げるコインは確率 \(1/2\) で \(A\) か \(B\) を選ぶものとする。 以下の設問に答えよ。
(1) \(n\) 回目に投げるコインが \(A\) である確率を求めよ。
(2) \(n\) 回投げたとき、表の出る回数の期待値を \(H(n)\) とする。
\[
\lim_{n \to \infty} \frac{H(n)}{n}
\]
を求めよ。
(3) \(\theta_A \neq \theta_B\) のとき、(2) で求めた値は \((\theta_A + \theta_B) / 2\) より大きいことを示せ。
Kai
(1)
漸化式を解く。
\[
\begin{aligned}
\left (\frac{1}{2} - \frac{1-\theta_B}{2-\theta_A-\theta_B} \right) \left(-1+\theta_A+\theta_B \right)^{n-1}+\frac{1-\theta_B}{2-\theta_A-\theta_B}
\end{aligned}
\]
(2)
漸化式を解く。
\[
\begin{aligned}
\frac{\theta_A+\theta_B-2\theta_A\theta_B}{2-\theta_A-\theta_B}
\end{aligned}
\]
(3)
比較する。
\[
\begin{aligned}
\frac{\theta_A+\theta_B-2\theta_A\theta_B}{2-\theta_A-\theta_B} - \frac{\theta_A+\theta_B}{2} & = 2(2-\theta_A-\theta_B)(\theta_A-\theta_B)^2 \\
& \geq 0
\end{aligned}
\]