東北大学 工学研究科 電気・情報系 2023年8月実施 基礎科目 問題1 電磁気学
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Kai
(1)
\(r \lt a\) では、導体の内部であるから、
\[
\begin{aligned}
E(r) = 0
\end{aligned}
\]
である。 \(a \lt r \lt b\) では、ガウスの法則より、
\[
\begin{aligned}
4 \pi r^2 E(r) &= \frac{Q_1}{\varepsilon_0}
\\
\therefore \ \
E(r) &= \frac{Q_1}{4 \pi \varepsilon_0 r^2}
\end{aligned}
\]
である。 \(b \lt r \lt c\) では、導体の内部であるから、
\[
\begin{aligned}
E(r) = 0
\end{aligned}
\]
である。 \(c \lt r\) では、ガウスの法則より、
\[
\begin{aligned}
4 \pi r^2 E(r) &= \frac{Q_1+Q_2}{\varepsilon_0}
\\
\therefore \ \
E(r) &= \frac{Q_1+Q_2}{4 \pi \varepsilon_0 r^2}
\end{aligned}
\]
である。
(2)
\[
\begin{aligned}
V_c
&= - \int_\infty^c E(r) dr
\\
&= - \frac{Q_1+Q_2}{4 \pi \varepsilon_0} \int_\infty^c \frac{dr}{r^2}
\\
&= \frac{Q_1+Q_2}{4 \pi \varepsilon_0} \left[ \frac{1}{r} \right]_\infty^c
\\
&= \frac{Q_1+Q_2}{4 \pi \varepsilon_0 c}
,\\
V_a
&= V_c - \int_\infty^c E(r) dr
\\
&= V_c - \frac{Q_1}{4 \pi \varepsilon_0} \int_b^a \frac{dr}{r^2}
\\
&= V_c + \frac{Q_1}{4 \pi \varepsilon_0} \left[ \frac{1}{r} \right]_b^a
\\
&= \frac{Q_1+Q_2}{4 \pi \varepsilon_0 c}
+ \frac{Q_1}{4 \pi \varepsilon_0} \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right)
\end{aligned}
\]
(3)
\(V_c=0\) であるから、導体球殻2の内側に \(-Q_1\) の電荷が分布する。 \(a \lt r \lt b\) における \(E(r)\) に変化はないから、
\[
\begin{aligned}
V_a
&= \frac{Q_1}{4 \pi \varepsilon_0} \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right)
\end{aligned}
\]
であり、
\[
\begin{aligned}
C
&= \frac{Q_1}{V_a}
\\
&= \frac{4 \pi \varepsilon_0}{\frac{1}{a} - \frac{1}{b}}
\end{aligned}
\]
である。
(4)
導体球殻2の電荷 \(Q_2\) のうち、内側に \(q\) 、外側に \(Q_2-q\) が分布したとする。 導体球殻2の内部で電場はないから、導体球1の外側に \(-q\) の電荷が分布する。 このとき、 (1), (2) と同じように考えて、
\[
\begin{aligned}
V_c
&= \frac{Q_2-q}{4 \pi \varepsilon_0 c}
,\\
V_a
&= V_c
- \frac{q}{4 \pi \varepsilon_0} \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right)
\\
&= \frac{Q_2-q}{4 \pi \varepsilon_0 c}
- \frac{q}{4 \pi \varepsilon_0} \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right)
\end{aligned}
\]
がわかる。 よって、 \(V_a=0\) から、
\[
\begin{aligned}
\frac{Q_2-q}{c}
&= q \left( \frac{1}{a} - \frac{1}{b} \right)
\\
\therefore \ \
Q_2
&= \left( \frac{c}{a} - \frac{c}{b} + 1 \right) q
\\
&= \frac{bc - ac + ab}{ab} q
\\
\therefore \ \
q
&= \frac{ab}{bc - ac + ab} Q_2
\\
\therefore \ \
Q_2 - q
&= \frac{bc - ac}{bc - ac + ab} Q_2
\\
\therefore \ \
V_c
&= \frac{Q_2}{4 \pi \varepsilon_0} \frac{b - a}{bc - ac + ab}
\end{aligned}
\]
がわかり、
\[
\begin{aligned}
C'
&= \frac{Q_2}{V_c}
\\
&= 4 \pi \varepsilon_0 \frac{bc - ac + ab}{b - a}
\end{aligned}
\]
がわかる。