大阪大学 基礎工学研究科 数理科学 (システム創成専攻) 2020年度 数理科学 I [4]
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Kai
(1)
まず、 \(y(0)=0\) から \(C_0=0\) がわかる。 よって、
\[
\begin{aligned}
y(x) &= \sum_{k=1}^\infty C_k x^k
\\
\frac{dy(x)}{dx} &= \sum_{k=1}^\infty k C_k x^{k-1}
\end{aligned}
\]
となる。 これを与えられた微分方程式に代入すると、
\[
\begin{align}
\sum_{k=1}^\infty k C_k x^{k-1}
+ \sum_{k=1}^\infty (-2 C_k) x^{k+1}
= 2x^3
\tag{A} \label{A}
\end{align}
\]
となる。
(\(\ref{A}\))式の定数項に注目すると、 \(1 C_1 = 0\) であるから、 \(C_1=0\) がわかる。
(\(\ref{A}\))式の \(x\) の項に注目すると、 \(2C_2=0\) であるから、 \(C_2=0\) がわかる。
(\(\ref{A}\))式の \(x^2\) の項に注目すると、 \(3C_3-2C_1=0\) であるから、 \(C_1=0\) より \(C_3=0\) がわかる。
(\(\ref{A}\))式の \(x^3\) の項に注目すると、 \(4C_4-2C_2=2\) であるから、 \(C_2=0\) より \(C_4=1/2\) がわかる。
(2)
\(j\) を非負の整数とする。 (\(\ref{A}\))式の \(x^{2j+2}\) の項に注目すると、
\[
\begin{aligned}
(2j+3) C_{2j+3} - 2 C_{2j+1} &= 0
\end{aligned}
\begin{aligned}
\therefore \ \
C_{2j+3} &= \frac{2}{2j+3} C_{2j+1}
\end{aligned}
\]
がわかる。 さらに \(C_1=0\) であるから、
\[
\begin{aligned}
C_{2j+1} &= 0
\end{aligned}
\]
がわかる。
(3)
\(j\) を \(2\) 以上の整数とする。 (\(\ref{A}\))式の \(x^{2j+1}\) の項に注目すると、
\[
\begin{aligned}
(2j+2) C_{2j+2} - 2 C_{2j} &= 0
\end{aligned}
\begin{aligned}
\therefore \ \
C_{2j+2} &= \frac{1}{j+1} C_{2j}
\end{aligned}
\]
がわかる。 さらに \(C_4=1/2\) であるから、
\[
\begin{aligned}
C_{2j} &= \frac{1}{j!}
\end{aligned}
\]
がわかる。
(4)
(1), (2), (3) より、
\[
\begin{aligned}
y(x)
&=
\sum_{j=2}^\infty \frac{1}{j!} x^{2j}
\\
&=
\sum_{j=0}^\infty \frac{1}{j!} \left( x^2 \right)^j
- \left( 1 + x^2 \right)
\\
&=
\exp \left( x^2 \right) - x^2 - 1
\end{aligned}
\]
を得る。 これが与えられた微分方程式と条件を満たすことも確かめられる。