大阪大学 基礎工学研究科 機械科学 (機能創成専攻) 2023年度 機械科学I 問題3
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Kai
(1)
(a)
\(a=x_2-x_1\) とおくと、 \(a \gt 0\) であるから、与えられた条件式 (i) より \(f(a) \geq 0\) がわかる。 よって、
\[
\begin{aligned}
f(x_2)
&= f(x_1+a)
\\
&= f(x_1) + f(a)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because \text{ (ii) } )
\\
&\geq f(x_1)
\end{aligned}
\]
がわかる。
(b)
与えられた条件式 (ii) で \(x=y=0\) とおくことで
\[
\begin{aligned}
f(0) = 0
\end{aligned}
\]
がわかる。 よって、 \(n=0\) のとき
\[
\begin{aligned}
f(nx) = nf(x)
\end{aligned}
\]
が成り立つことがわかる。 また、 \(n=1, 2, \cdots\) のとき
\[
\begin{aligned}
f(nx)
&= f(x + x + \cdots + x)
\\
&= f(x) + f(x) + \cdots + f(x)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because \text{ (ii) } )
\\
&= n f(x)
\end{aligned}
\]
が成り立つ。
(\(c\))
\[
\begin{aligned}
f(rx)
&= f \left( \frac{m}{n} x \right)
\\
&= m f \left( \frac{1}{n} x \right)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because \text{ (b) } )
\\
&= rn f \left( \frac{1}{n} x \right)
\\
&= r f \left( n \cdot \frac{1}{n} x \right)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because \text{ (b) } )
\\
&= r f \left( x \right)
\end{aligned}
\]
(d)
\(x\) が正の有理数のとき、
\[
\begin{aligned}
f(x)
&= f( x \cdot 1)
\\
&= x f(1)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because \text{ (c) } )
\\
&= cx
\ \ \ \ \ \ \ \ ( c = f(1) \geq 0)
\end{aligned}
\]
である。 \(f\) は連続関数であることから、 \(x \in [0, \infty)\) について
\[
\begin{aligned}
f(x) = cx
\ \ \ \ \ \ \ \ ( c = f(1) \geq 0)
\end{aligned}
\]
が成り立つことがわかる。
(2)
(e)
\(f(x)\) が問 (1) の条件 (i) を満足することは、次のようにしてわかる:
\[
\begin{aligned}
f(x)
&= I \left( 2^{-x} \right)
\\
&\geq 0
.
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because I(p) \text{ に関する1番目の条件 } )
\end{aligned}
\]
\(f(x)\) が問 (1) の条件 (ii) を満足することは、次のようにしてわかる:
\[
\begin{aligned}
f(x+y)
&= I \left( 2^{-(x+y)} \right)
\\
&= I \left( 2^{-x} \cdot 2^{-y} \right)
\\
&= I \left( 2^{-x} \right) + I \left( 2^{-y} \right)
\ \ \ \ \ \ \ \ ( \because I(p) \text{ に関する2番目の条件 } )
\\
&= f(x) + f(y)
.
\end{aligned}
\]
(f)
(d), (e) より、
\[
\begin{aligned}
I(p)
&= f \left( - \log_2 p \right)
\\
&= - c \log_2 p
\ \ \ \ (c \geq 0)
\end{aligned}
\]
がわかる。 さらに \(I(p)\) に関する3番目の条件から \(c=1\) がわかり、
\[
\begin{aligned}
I(p)
&= - \log_2 p
\end{aligned}
\]
を得る。