名古屋大学 多元数理科学研究科 2019年度 午前の部 [1]
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Kai
(1)
与えられた3本のベクトルからなる行列
\[
\begin{aligned}
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 1 \\ 2 & 0 & 1 \\ 0 & -2 & 0 \\ 1 & -1 & 2
\end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
は次のように列基本変形できる:
\[
\begin{align}
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 2 & -2 & -1 \\ 0 & -2 & 0 \\ 1 & -2 & 1
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 2 & 1 & -1 \\ 0 & 1 & 0 \\ 1 & 1 & 1
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ -2 & 1 & 1 \\ -1 & 1 & 2
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ 3 & -1 & 2
\end{pmatrix}
\tag{i} \label{i}
\end{align}
\]
最後の表式の3つの列ベクトルは1次独立なので、 与えられた3本のベクトルは1次独立であることがわかる。
(2)
与えられた3本のベクトルからなる行列
\[
\begin{aligned}
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 2 \\ 1 & 3 & 1 \\ 1 & 1 & -1 \\ 1 & 2 & 0
\end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
は次のように列基本変形できる:
\[
\begin{align}
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 1 & 1 & -1 \\ 1 & -1 & -3 \\ 1 & 0 & -2
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 2 & -1 & -4 \\ 1 & 0 & -2
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 2 & -1 & 1 \\ 1 & 0 & \frac{1}{2}
\end{pmatrix} \nonumber
\\
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ 0 & \frac{1}{2} & \frac{1}{2}
\end{pmatrix}
\tag{ii} \label{ii}
\end{align}
\]
最後の表式の3つの列ベクトルは1次独立なので、 与えられた3本のベクトルは1次独立であることがわかる。
(3)
(1), (2) から \(V_1, V_2\) はどちらも3次元であり、 (\(\ref{i}\)), (\(\ref{ii}\)) から \(V_1 \ne V_2\) がわかるので、 \(V_1 + V_2\) は4次元であることがわかる。
(4)
(\(\ref{i}\)), (\(\ref{ii}\)) の列ベクトルを使って、 実数 \(a,b,c,d,e,f\) について
\[
\begin{align}
a \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \\ 3 \end{pmatrix}
+ b \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\0 \\ -1 \end{pmatrix}
+ c \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix}
=
d \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}
+ e \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \\ \frac{1}{2} \end{pmatrix}
+ f \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \\ \frac{1}{2} \end{pmatrix}
\tag{iii} \label{iii}
\end{align}
\]
が成り立つとすると、
\[
\begin{aligned}
a=d, b=e, c=f, 2a-b+c=0
\end{aligned}
\]
を得る。 \(a,b\) を決めると \(c,d,e,f\) が決まるので、 \(V_1 \cap V_2\) は2次元であることがわかる。
\(a=1,b=0\) とすると、 \(c=-2,d=1,e=0,f=-2\) となり、 ベクトル (\(\ref{iii}\)) は
\[
\begin{aligned}
u = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -2 \\ -1 \end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
となる。 また、 \(a=0,b=1\) とすると、 \(c=1,d=0,e=1,f=1\) となり、 ベクトル (\(\ref{iii}\)) は
\[
\begin{aligned}
v = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 1 \\ 1 \end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
となる。 ここで求めた \(u,v\) は \(V_1 \cap V_2\) の基底である。