名古屋大学 情報学研究科 知能システム学専攻 2021年8月実施 確率・統計
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Kai
[1]
配置する点の位置を、線分の一端からの長さで表す。
(1)
点の位置を \(X\) とすると、 切断後の線分の中で少なくとも1つの長さが \(0.7\) より長くなるのは、 \(0 \lt X \lt 0.3\) または \(0.7 \lt X \lt 1\) のときなので、 求める確率は \(0.6\) である。
(2)
2点の位置を \(X_1, X_2\) とする。 切断後の線分の中で少なくとも1つの長さが \(0.5\) より長くなるのは
\[
\begin{aligned}
&\text{ (i) } 0 \lt X_1 \lt 0.5 \text{ かつ } 0 \lt X_2 \lt 0.5
\text{ : 確率 } 0.25
\\
&\text{ (ii) } 0 \lt X_1 \lt 0.5 \text{ かつ } 0.5 + X_1 \lt X_2 \lt 1
\text{ : 確率 } 0.125
\\
&\text{ (iii) } 0.5 \lt X_1 \lt 1 \text{ かつ } 0.5 \lt X_2 \lt 1
\text{ : 確率 } 0.25
\\
&\text{ (iv) } 0.5 \lt X_1 \lt 1 \text{ かつ } 0 \lt X_2 \lt X_1 - 0.5
\text{ : 確率 } 0.125
\end{aligned}
\]
のときなので、求める確率は \(0.75\) である。
[2]
(1)
\(X\) の確率密度関数 \(f(x)\) は、 \(1 \leq x \leq 3\) において、
\[
\begin{aligned}
f(x) = \frac{1}{2}
\end{aligned}
\]
であり、それ以外では \(0\) である。
(2)
\(Y\) の確率密度関数 \(g(y)\) は、 \(0\) でないのは \(3 \leq y \leq 11\) のときであり、このとき
\[
\begin{aligned}
g(y)
&= f(x) \left| \frac{dx}{dy} \right|
\\
&= \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2 \sqrt{y-2}}
\\
&= \frac{1}{4 \sqrt{y-2}}
\end{aligned}
\]
である。
[3]
(1)
\[
\begin{aligned}
P(X) = {}_n \mathrm{C}_X \left( \frac{1}{6} \right)^X \left( \frac{5}{6} \right)^{n-X}
\end{aligned}
\]
(2)
サイコロを振る回数を \(n\) とすると、求める条件は、
\[
\begin{aligned}
\left( \frac{5}{6} \right)^n
&\geq 0.4
\\
&= \frac{2}{5}
\\
n \log_e \frac{5}{6} & \geq \log_e \frac{2}{5}
\\
n &\leq \frac{\log_e \frac{2}{5}}{\log_e \frac{5}{6}}
\\
&= \frac{\log_e 5 - \log_e 2}{\log_e 6 - \log_e 5}
\\
&\approx \frac{1.6094 - 0.6931}{1.7918 - 1.6094}
\\
&\approx 5.02
\end{aligned}
\]
であるから、5回まで振ることができる。
(3)
サイコロを10回振ったとき1の目が出る回数が1回以下となる確率を \(p\) とすると、
\[
\begin{aligned}
p
&= \left( \frac{5}{6} \right)^{10}
+ 10 \cdot \frac{1}{6} \cdot \left( \frac{5}{6} \right)^9
\\
&= \left( \frac{5}{6} \right)^9 \cdot \frac{5}{2}
\end{aligned}
\]
なので、
\[
\begin{aligned}
\log_e p
&= 9 (\log_e 5 - \log_e 6) + \log_e 5 - \log_e 2
\\
&= 10 \log_e 5 - 9 \log_e 6 - \log_e 2
\\
&\approx -0.7253
\end{aligned}
\]
である。 一方、
\[
\begin{aligned}
\log_e 0.5
&= \log_e \frac{1}{2}
\\
&= - \log_e 2
\\
&\approx - 0.6931
\end{aligned}
\]
である。 よって、
\[
\begin{aligned}
\log_e p \lt \log_e 0.5
\end{aligned}
\]
であり、 \(\log_e x\) は単調増加関数なので、 \(p\) は \(0.5\) 以上ではない。