名古屋大学 情報学研究科 知能システム学専攻 2021年8月実施 解析・線形代数
Author
Miyake
Description
Kai
[1]
\[
\begin{aligned}
(z+1)^2 &= 2i
\\
z+1 &= \pm \sqrt{2} \cdot \frac{1+i}{\sqrt{2}}
\\
&= \pm (1+i)
\\
\therefore \ \
z &= i, -2-i
\end{aligned}
\]
[2]
まず、
\[
\begin{aligned}
\frac{\partial f}{\partial x} = 3x^2 - 3y
&, \ \
\frac{\partial f}{\partial y} = 3y^2 - 3x
, \\
\frac{\partial^2 f}{\partial x^2} = 6x
, \ \
\frac{\partial^2 f}{\partial y^2} = 6y
&, \ \
\frac{\partial^2 f}{\partial x \partial y} = \frac{\partial^2 f}{\partial y \partial x} = -3
\end{aligned}
\]
であり、
\(\partial f/\partial x = \partial f/\partial y = 0\)
となるのは、
\((x,y)=(0,0),(1,1)\)
のときである。
\((x,y)=(0,0)\) でのヘッセ行列は、
\[
\begin{aligned}
\begin{pmatrix} 0 & -3 \\ -3 & 0 \end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
であり、これの2つの固有値を \(\alpha, \beta\) とすると、
\(\alpha \beta = -9\) から異符号である。
よって、この点は鞍点であり、極値を与えない。
\((x,y)=(1,1)\) でのヘッセ行列は、
\[
\begin{aligned}
\begin{pmatrix} 6 & -3 \\ -3 & 6 \end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
であり、これの2つの固有値を \(\alpha, \beta\) とすると、
\(\alpha + \beta = 12, \alpha \beta = 27\) から、どちらも正である。
よって、この点で極小値をとり、その値は \(f(1,1)=-2\) である。
[3]
(a)
\[
\begin{aligned}
A = \begin{pmatrix} a & a+1 \\ a+1 & a \end{pmatrix}
\end{aligned}
\]
(b)
\(A\) の固有値を \(\lambda\) とすると、
\[
\begin{aligned}
0 &= \det \begin{pmatrix} a - \lambda & a+1 \\ a+1 & a - \lambda \end{pmatrix}
\\
&= (\lambda + 1)(\lambda - 2a - 1)
\\
\therefore \ \
\lambda &= -1, 2a+1
\end{aligned}
\]
である。
(\(c\))
2次形式 \(Q\) が定符号であるということは、
対称行列 \(A\) の2つの固有値が同符号であるということなので、
求める範囲は
\[
\begin{aligned}
2a+1 &\lt 0
\\
\therefore \ \
a &\lt - \frac{1}{2}
\end{aligned}
\]
である。
[4]
(a)
\(y=x^m\) とすると、
\[
\begin{aligned}
\frac{dy}{dx} &= m x^{m-1}
\\
\frac{d^2 y}{dx^2} &= m(m-1) x^{m-2}
\end{aligned}
\]
であり、これらを与えられた微分方程式 (*) に代入して、 \(x \gt 0\) に注意して整理すると、
\[
\begin{aligned}
(m-2)^2 &= 0
\\
\therefore \ \
m &= 2
\end{aligned}
\]
を得る。
実際、
\[
\begin{aligned}
y = x^2
\end{aligned}
\]
が (*) の解であることは簡単に確かめられる。
(b)
\(y=x^2 u(x)\) として、 \(z = du/dx\) を使うと、
\[
\begin{aligned}
\frac{dy}{dx} &= 2xu + x^2 z
\\
\frac{d^2 y}{dx^2} &= 2u + 4xz + x^2 \frac{dz}{dx}
\end{aligned}
\]
であり、これらを与えられた微分方程式 (*) に代入して、 \(x \gt 0\) に注意して整理すると、
\[
\begin{aligned}
x \frac{dz}{dx} + z = 0
\end{aligned}
\]
を得る。
(\(c\))
(b) で得られた微分方程式を積分して、積分定数を適当に選ぶと、
\[
\begin{aligned}
z &= \frac{1}{x}
\\
u &= \log x
\end{aligned}
\]
を得る。
実際、 \(y = x^2 \log x\) は () を満たす。
以上より、 () の一般解は、任意定数を \(A,B\) として、
\[
\begin{aligned}
y = A x^2 + B x^2 \log x
\end{aligned}
\]
である。