九州大学 システム情報科学府 情報理工学専攻・電気電子工学専攻 2019年度 確率・統計
Author
Miyake
Description
\(\Omega = \{(x, y) \in \mathbb{R}^2 \mid 0 \le x \le 1, 0 \le y \le 1 \}\) とする. 連続確率変数の対 \((X, Y)\) の同時密度関数は
\[
f(x, y) = \frac{1}{C} (e^{-x} + e^{-y}) \ \ \ (x, y) \in \Omega
\]
で与えられるものとする. ただし \(C > 0\) は正規化定数である. 以下の各問に答えよ.
(1) \(C\) の値を求めよ.
(2) \(X\) と \(Y\) は独立か否か, 理由と共に答えよ.
(3) \(Y = 0\) の条件の下での \(X\) の期待値を求めよ.
Kai
(1)
\[
\begin{aligned}
1
&=
\iint_\Omega f(x,y) dx dy
\\
&=
\frac{1}{C} \left\{
\int_0^1 e^{-x} dx \int_0^1 dy
+ \int_0^1 dx \int_0^1 e^{-y} dy
\right\}
\\
&=
\frac{1}{C} \frac{2(e-1)}{e}
\\
\therefore \ \
C &= \frac{2(e-1)}{e}
\end{aligned}
\]
(2)
\(X,Y\) の周辺確率密度関数をそれぞれ \(f_X(x), f_Y(y)\) とすると、
\[
\begin{aligned}
f_X(x)
&=
\int_0^1 f(x,y) dy
\\
&=
\frac{1}{C} \int_0^1 (e^{-x} + e^{-y}) dy
\\
&=
\frac{e}{2(e-1)} e^{-x} + \frac{1}{2}
\\
f_Y(y)
&=
\frac{e}{2(e-1)} e^{-y} + \frac{1}{2}
\end{aligned}
\]
であり、
\[
\begin{aligned}
f(x,y) \ne f_X(x) f_Y(y)
\end{aligned}
\]
であるから、\(X\) と \(Y\) は独立ではない。
(3)
\(Y=0\) の条件の下での \(X\) の確率密度関数を \(f_{X \mid Y=0} (x)\) とすると、
\[
\begin{aligned}
f_{X \mid Y=0} (x)
&=
\frac{f(x,0)}{f_Y(0)}
\\
&=
\frac{e(e^{-x} + 1)}{2e-1}
\end{aligned}
\]
であるから、求める期待値は、
\[
\begin{aligned}
E(X \mid Y=0)
&=
\int_0^1 x f_{X \mid Y=0} (x) dx
\\
&=
\frac{e}{2e-1} \int_0^1 x (e^{-x} + 1) dx
\\
&=
\frac{3e-4}{2(2e-1)}
\end{aligned}
\]
である。