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九州大学 システム情報科学府 情報理工学専攻 2017年度 オートマトンと言語

Author

Zero

Description

【問1】

以下の状態遷移図を持つ有限オートマトン \(M = (K, \Sigma, \delta, q_0, F)\) に対し,次の各問いに答えよ. ただし,\(K, \Sigma, \delta, q_0, F\) は,それぞれ状態の集合,アルファベット,遷移関数,初期状態,最終状態の集合を表し,\(\Sigma = \{a, b, c\}\) とする.

(1) \(M\) が受理する長さ \(2\) 以下の文字列をすべて列挙せよ.

(2) \(M\) が受理する言語を \(L(M)\) で表す.\(L(M)\) を受理する状態数最小の決定性有限オートマトンの状態遷移図を与えよ.

(3) \(L\) を,状態 \(q_4\) を通らずに \(M\) によって受理される文字列からなる言語とする.\(L\) を表す正規表現を1つ与えよ.

【問2】

\(\Sigma = \{a, b\}\) を終端記号の集合とする2つの文脈自由文法 \(G_1 = (N_1, \Sigma, P_1, S)\), \(G_2 = (N_2, \Sigma, P_2, T)\) を考える. ただし,\(N_1 = \{S, A\}\), \(P_1 = \{S \rightarrow aS \mid aA, A \rightarrow bA \mid b\}\), \(S\) は,それぞれ \(G_1\) の非終端記号の集合,生成規則の集合,開始記号である. また,\(N_2 = \{T, B, C\}\), \(P_2 = \{T \to aB \mid Cb, B \to \varepsilon \mid aB \mid aBb, C \to \varepsilon \mid Cb \mid aCb\}\), \(T\) は,それぞれ \(G_2\) の非終端記号の集合,生成規則の集合,開始記号である. 文脈自由文法 \(G\) が生成する言語を \(L(G)\) と表す.次の各問いに答えよ.

(1) \(G_1\) が生成する長さ 3 の文字列をすべて列挙せよ.

(2) 言語 \(L(G_1)\) を説明せよ.

(3) \(G_2\) が生成する長さ 4 の文字列をすべて列挙せよ.

(4) 言語 \(L(G_1) \setminus L(G_2)\) を説明せよ.ただし,集合 \(U, V\) について,\(U \setminus V = \{w \mid w \in U \text{ and } w \notin V\}\) とする.

Kai

【問1】

(1)

\[ b, c, ab, ac, ba, bc, ca, cc \]

(2)

\[ q_2 = q_3, q_0 = q_1 \]

(3)

\[ L = \{ a^{*} (b+c)(a+c)^{*} \} \]

【問2】

(1)

\[ aab, abb \]

(2)

\[ L(G_1) = \{a^n b^m \mid n \geq 1, m \geq 1\} \]

(3)

\[ aaaa \quad aaab \quad bbbb \quad abbb \]

(4)

\[ L(G_2) = \{a^n b^m \mid n \geq 0, m \geq 0 \text{ and } m \neq n\} \]

よって、

\[ L(G_1) \setminus L(G_2) = \{ a^n b^n \mid n \geq 1 \} \]