京都大学 情報学研究科 数理工学専攻 2020年8月実施 力学系数学
Author
Casablanca
Description
日本語版
\(n > 1\) を整数,\(f : \mathbb{R}^n \rightarrow \mathbb{R}^n\) を \(C^1\) 級関数として,\(\mathbb{R}\) 上の微分方程式系
を考える。\(x = \phi(t)\) を \(\mathbb{R}\) 上で有界な式 (1) の非定数解とする。 次式を式 (1) の解 \(x = \phi(t)\) のまわりの変分方程式という:
ここで,\(Df(x)\) は \(f(x)\) のヤコビ行列で,各 \(j = 1, 2, \ldots, n\) に対して,\(f_j(x)\) と \(x_j\) をそれぞれ,\(f(x)\) と \(x\) の第 \(j\) 成分として,
で与えられる \(n\) 次正方行列である。以下の問いに答えよ。
(i) 極限 \(a_+ = \lim_{t \to +\infty} \phi(t)\) と \(a_- = \lim_{t \to -\infty} \phi(t)\) が存在するとき,\(x = a_+\) と \(a_-\) が式 (1) の定数解であることを示せ。また,変分方程式 (2) が \(\lim_{t \to \pm \infty} \psi(t) = 0\) かつ \(\mathbb{R}\) 上で有界な解 \(y = \psi(t)\) をもつことを示せ。
(ii) 次式を満たす \(C^1\) 級関数 \(u : \mathbb{R}^n \rightarrow \mathbb{R}^n\) が存在するものとする。
2 個のベクトル \(f(\phi(0))\) と \(u(\phi(0))\) が線形独立であるとき,変分方程式 (2) の線形独立な解を2個求めよ。
(iii) 次式を満たす \(n - 1\) 個の \(C^1\) 級関数 \(v_j : \mathbb{R}^n \rightarrow \mathbb{R}^n \ (j = 1, 2, \ldots, n - 1)\) が存在するものとする。
\(n\) 個のベクトル \(f(\phi(0))\) と \(v_j(\phi(0)) \ (j = 1, 2, \ldots, n - 1)\) が線形独立であるとき,変分方程式 (2) の一般解を求めよ。
English Version
Kai
(i)
Since \(\phi (t)\) is a solution, we have
From \(\lim_{t\rightarrow +\infty}\phi(t) = a_+\) and continuity, we have
suppose that
then we have
which is conflict with
and therefore \(f(a_+) = 0\). Thus \(\phi(t) = a_+\) is a constant solution. Similarly, \(\phi(t) = a_{-}\) is a constant solution,too.
Notice that
hence
and we konw
since \(f \in C^1\), \(\phi(t)\) is bounded, then \(\psi(t)\) is bounded
(ii)
\(f(\phi(t))\) is a solution, then
and we see that \(v(\phi(t))\) is a solution to (2) and we have
thus, \(v(\phi(0))\), \(f(\phi(0))\) are independent \(\Rightarrow\) \(v(\phi(t))\), \(f(\phi(t))\) are independent.
(iii)
Similar to \(\boldsymbol{(\text{ii})}\), omitted