京都大学 情報学研究科 数理工学専攻 2019年8月実施 力学系数学
Author
Casablanca
Description
日本語版
\(a, b \in \mathbb{R}\) を定数として次の実微分方程式を考える.
\(X\) を \(t\) の有理関数,式 (1) の解およびそれらの高階導関数の有理式全体からなる集合とする. 特に,\(X\) は式 (1) の任意の解の 2 階導関数を含む.次の条件を満たす全単射写像 \(\sigma: X \rightarrow X\) 全体の集合を \(G\) で表す.
(A1) 任意の \(f, g \in X\) に対して \(\sigma(f + g) = \sigma(f) + \sigma(g)\) および \(\sigma(fg) = \sigma(f)\sigma(g)\) が成立
(A2) 任意の有理関数 \(f\) に対して \(\sigma(f) = f\) が成立
(A3) 任意の \(f \in X\) に対して \(\frac{d}{dt} \sigma(f) = \sigma \left( \frac{df}{dt} \right)\) が成立
\(x = e^t\) が式 (1) の解であるとき,以下の問いに答えよ.
(i) 定数 \(a, b\) を定めよ.
(ii) \(x = e^t\) と 1 次独立な解 \(x = \phi(t)\) を一つ求めよ.
(iii) \(x(t)\) が解のとき \(\sigma (x(t))\) も解であることを示せ.
(iv) \(\phi(t)\) を(ii)で求めた解とする.(iii)により,任意の \(\sigma \in G\) に対して,ある定数 \(a_{ij}(\sigma) \in \mathbb{R} \ (i, j = 1, 2)\) が存在して
が成立する.各 \(i, j = 1, 2\) に対して \((i, j)\) 成分が \(a_ij (\sigma)\) の 2 次正方行列を \(A(\sigma)\) と表す. このとき,任意の \(\sigma_1, \sigma_2 \in G\) に対して \(A(\sigma_1) A(\sigma_2) = A(\sigma_2) A(\sigma_1)\) が成立することを示せ.
English Version
Kai
(i)
substitute \(x\) by \(e^t\) in (1),
we have \(a = b = -1\)
(ii)
Let \(\phi(t) = u(t)e^t\) and substitute \(x\) by \(\phi(t)\) in (1), we have
by solving this equation, we obtain:
where \(C_1\) and \(C_2\) are constants.
By setting \(C_1 = 1\), \(C_2 = 0\), we have
(iii)
And we obtain
(iv)
\(A(\sigma_i) = \begin{bmatrix} 1 & 0 \\ 0 & c_i \end{bmatrix}\) is symmetric.