東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系 2018年度 午前 問2
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単位円 \(S^1 = \{(x,y) \in \mathbb{R}^2; x^2 + y^2=1\}\) の部分集合族
について,以下の問に答えよ.ただし,\(\emptyset\) は空集合を表す.
(1) \(\mathcal{O}\) は \(S^1\) の位相を定めることを示せ.
(2) \((S^1, \mathcal{O})\) はハウスドルフ空間か否かを理由をつけて述べよ.
(3) \((S^1, \mathcal{O})\) は連結か否かを理由をつけて述べよ.
(4) \((S^1, \mathcal{O})\) はコンパクトか否かを理由をつけて述べよ.
Kai
(1)
\(\emptyset, S^1 \in \mathcal{O}\) は明らか。
\(\forall U, V \in \mathcal{O}\) に対して、
- \(U, V\) の少なくとも一方が \(\emptyset, S^1\) の時は明らかに \(U \cap V \in \mathcal{O}\)
- \(U,V \ (\neq \emptyset, S^1)\) のとき、\((U \cap V)^C = U^C \cup V^C\) は有限集合なので、\(U \cap V \in \mathcal{O}\)
\(\forall O_{\lambda} \in \mathcal{O} \ (\lambda \in \Lambda)\) に対して、
それ以外の場合は、
すると、\(\forall \lambda \in \Sigma, (O_{\lambda})^C\) は有限集合なので、
も有限集合。従って、全ての場合で、\(\bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_{\lambda} \in \mathcal{O}\)。
(2)
\(\forall U, V \in \mathcal{O} \ (\neq \emptyset, S^1)\) に対して、 \(U \cap V = \emptyset\) と仮定すると、\(U^C \cup V^C = S^1\) となり濃度に関して矛盾。 従って、お互いに素な開集合が異なる二元を分離するように取れないので、ハウスドルフ空間ではない。
(3)
互いに素な非空な開集合で分離できないので、非連結の定義を満たさないので、連結。
(4)
任意の \(S^1\) の被覆 \(\bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_{\lambda}\) に対して、
\(\exists \lambda_0 \in \Lambda, (1,0) \in O_{\lambda_0} \ (O_{\lambda_0} \neq S^1\) としても一般性を失わない \()\)
\(\exists x_1, x_2, \ldots, x_n \in S^1 \text{ s.t. } x_i \neq (1,0) \text{ and } O_{\lambda_0}^C = \{x_1, x_2, \ldots, x_n\}\)
\(x_1, x_2, \ldots, x_n \in\) 被覆より、\(\exists \lambda_1, \ldots, \lambda_n \in \Lambda \text{ s.t. } x_1 \in O_{\lambda_1}, \ldots, x_n \in O_{\lambda_n}\)
従って、\(S^1 = \bigcup_{i=0}^n O_{\lambda_i}\) となりコンパクト。