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早稲田大学 創造理工学研究科 経営システム工学専攻 2018年7月実施 数理基礎 C

Author

祭音Myyura

Description

  1. M=(abcd)M=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} と可換な行列をすべて求めよ。原題には「a,b,ca,b,c は実数で aca\neq c」とある。

  2. A,BA,B が正則行列なら、(A0CB)\begin{pmatrix}A&0\\C&B\end{pmatrix} も正則であり、

    (A0CB)1=(A10B1CA1B1)\begin{pmatrix}A&0\\C&B\end{pmatrix}^{-1} =\begin{pmatrix}A^{-1}&0\\-B^{-1}CA^{-1}&B^{-1}\end{pmatrix}

    であることを示せ。

  3. A=(020121130)A=\begin{pmatrix}0&-2&0\\1&2&1\\1&3&0\end{pmatrix} の固有値と対応する固有ベクトルを求めよ。

Kai

[小問 1]

原題は行列に dd を用いる一方で実数条件から dd を落としており、さらに aca\neq c だけでは行列が非スカラーであることも保証しない。このため、以下では表示された一般行列を文字どおり扱う。

X=(pqrs)X=\begin{pmatrix}p&q\\r&s\end{pmatrix} とおくと、XM=MXXM=MX

cq=br,b(ps)+(da)q=0,(ad)r+c(sp)=0\boxed{ cq=br,\qquad b(p-s)+(d-a)q=0,\qquad (a-d)r+c(s-p)=0 }

と同値である。したがって、この3式を満たす p,q,r,sp,q,r,s が求める行列の完全な表示である。

特に MM がスカラー行列でなければ、2次正方行列の中心化代数は2次元であり、解は

X=αI+βM(α,βR)\boxed{X=\alpha I+\beta M\qquad(\alpha,\beta\in\mathbb R)}

となる。M=λIM=\lambda I なら任意の2次正方行列 XX が可換である。

[小問 2]

右辺の候補を NN とおく。ブロック行列の積を計算すると

(A0CB)N=(AA10CA1BB1CA1BB1)=(I00I).\begin{aligned} \begin{pmatrix}A&0\\C&B\end{pmatrix}N &=\begin{pmatrix} AA^{-1}&0\\ CA^{-1}-BB^{-1}CA^{-1}&BB^{-1} \end{pmatrix}\\ &=\begin{pmatrix}I&0\\0&I\end{pmatrix}. \end{aligned}

逆順の積も同様に単位行列になる。よって表示された NN は逆行列であり、元のブロック行列は正則である。

[小問 3]

特性多項式は

det(λIA)=(λ1)(λ2)(λ+1)\det(\lambda I-A)=(\lambda-1)(\lambda-2)(\lambda+1)

である。したがって固有値と固有空間は

λ対応する固有ベクトルの一例1(2,1,1)T2(1,1,1)T1(2,1,5)T\boxed{ \begin{array}{c|c} \lambda & \text{対応する固有ベクトルの一例}\\ \hline 1&(-2,1,1)^{\mathsf T}\\ 2&(-1,1,1)^{\mathsf T}\\ -1&(-2,-1,5)^{\mathsf T} \end{array}}

である。各ベクトルの0でない定数倍も同じ固有値に対応する。