東京大学 理学系研究科 物理学専攻 2022年度 専門科目 第2問
Author
祭音Myyura (Based on Miyake's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
体積 V=L3 の相互作用が無視できる理想ボース気体を考える。粒子の質量は m、粒子数は N、プランク定数を 2π で割った量は ℏ とする。まずスピン0の場合について答えよ。
- 全ての一粒子固有エネルギーと対応する固有波動関数 Ψ(x,y,z) を求めよ。周期境界条件
Ψ(x+L,y,z)=Ψ(x,y,z),Ψ(x,y+L,z)=Ψ(x,y,z),Ψ(x,y,z+L)=Ψ(x,y,z)
を課し、基底状態のエネルギーを0とする。
- エネルギー Ei の一粒子状態の大分配関数は、温度 T、化学ポテンシャル μ≤0、ボルツマン定数 kB を用いて
Ξi=ni=0∑∞exp[−kBT(Ei−μ)ni]
と与えられる。この状態の平均粒子数 f(Ei,μ)(ボース分布関数)を導け。
以下では L が十分大きく、エネルギー準位が連続とみなせるとする。
- エネルギーが0から E までの一粒子状態数を Ω(E) とする。状態密度 D(E)=dΩ(E)/dE を求めよ。
- T>Tc では N=∫0∞f(E,μ)D(E)dE と書ける。この右辺は一定温度で μ≤0 の単調増加関数である。μ=0 のときの積分を評価せよ。必要なら次式を用いよ。
π2∫0∞ex−1xdx=n=1∑∞n3/21=ζ(3/2).
- T<Tc では基底状態を占める粒子数 N0 が巨視的になり、
N=N0+∫0∞f(E,0)D(E)dE
となる。このボース・アインシュタイン凝縮の転移温度 Tc を求めよ。
6. T<Tc で N0 を N,T,Tc によって表せ。
7. T<Tc の定積熱容量は CV=(∂E/∂T)N,V=aTγ と書ける。指数 γ を求めよ。
次に、スピン S をもつボース粒子を考える。
- 外部磁場がない場合の状態密度 D(E) と転移温度 Tc′ を求めよ。
- z 方向に磁束密度 B の外部磁場を加えると、ゼーマンエネルギー −cmzB によりスピン縮退が解ける。c>0 は定数、mz=−S,−S+1,…,S である。転移温度 Tc′ を決める方程式を書け。
- Tc′ の B 依存性の概略を図示し、cB≫kBTc′ での振る舞いを述べよ。必要なら (2/π)∫0∞xe−xdx=1 を用いよ。
题目描述
考虑体积 L3、粒子质量 m、粒子数 N 的无相互作用理想玻色气体。
对自旋0粒子:①在三方向周期边界下求单粒子能谱和归一化波函数;②由给定的大配分函数推导玻色分布;③在连续能谱近似下求态密度;④计算化学势为0时激发态能容纳的粒子数;⑤求凝聚临界温度;⑥求临界温度以下的基态粒子数;⑦求定容热容量的温度幂指数。
再考虑自旋 S:⑧求无磁场下的态密度和临界温度;⑨外加沿 z 方向的磁场后,塞曼能为 −cmzB,写出临界温度方程;⑩画出临界温度随磁场大小变化的概略图,并讨论强磁场极限。可使用题中给出的两个积分公式。
Kai
(1)
自由粒子の平面波に周期境界条件を課すと、各波数は 2π/L の整数倍になる。したがって、nx,ny,nz∈Z に対して
Ψn(r)=L−3/2exp[L2πi(nxx+nyy+nzz)],
En=mL22π2ℏ2(nx2+ny2+nz2).
基底状態は n=0、エネルギー0である。
(2)
Ei−μ>0 に対して等比級数を足すと
Ξi=1−e−β(Ei−μ)1,β=kBT1.
よって
f(Ei,μ)=β1∂μ∂lnΞi=eβ(Ei−μ)−11.
Ei=0,μ=0 の基底状態はこの式の発散する極限であり、凝縮相では N0 として別に扱う。
(3)
波数空間で一状態が占める体積は (2π/L)3。半径 k=2mE/ℏ の球内の状態を数えると
Ω(E)=(2π)3V34π(ℏ22mE)3/2.
したがって
D0(E)=4π2V(ℏ22m)3/2E.
以下ではスピン0の状態密度を D0 と書く。
(4)
熱的波長を λT=2πℏ2/(mkBT) とする。x=E/(kBT) と置き、与えられた積分を用いると
∫0∞eE/(kBT)−1D0(E)dE=λT3Vζ(3/2).
(5)
転移点では N0=0 となり、励起状態が粒子を収容できる上限が N に等しい。よって
N=V(2πℏ2mkBTc)3/2ζ(3/2),
Tc=mkB2πℏ2[Vζ(3/2)N]2/3.
(6)
励起粒子数が T3/2 に比例するため
N0=N[1−(TcT)3/2](T<Tc).
(7)
基底状態のエネルギーは0なので、全内部エネルギーは
E=∫0∞eε/(kBT)−1εD0(ε)dε∝T5/2.
よって CV∝T3/2、すなわち
γ=23.
具体的には CV=(15/4)NkB{ζ(5/2)/ζ(3/2)}(T/Tc)3/2 である。
(8)
各運動量状態のスピン縮退度は g=2S+1 なので
D(E)=gD0(E),Tc′(0)=g2/3Tc.
(9)
B≥0 とする。最低エネルギーは −cSB であり、転移点の化学ポテンシャルはこの値に等しい。運動エネルギーを ε≥0、r=S−mz=0,1,…,2S とおくと、最低準位からの励起エネルギーは ε+rcB。したがって
N=r=0∑2S∫0∞exp[(ε+rcB)/(kBTc′)]−1D0(ε)dε.
g3/2(z)=∑ℓ=1∞zℓ/ℓ3/2 を用いれば
N=V(2πℏ2mkBTc′)3/2r=0∑2Sg3/2(e−rcB/(kBTc′)).
(10)
一定温度では r≥1 の各項が B とともに減少するため、粒子数を一定に保つ転移温度は単調増加する。S>0 では Tc/(2S+1)2/3 から出発し、B→∞ で Tc に下から近づく。S=0 なら磁場に依存せず Tc′=Tc である。

図は S=1 の例を示す。一般の S>0 でも増加して飽和する形は同じである。強磁場では r≥1 の状態が熱的に凍結し、最低ゼーマン枝だけが残る。g3/2(e−b)=e−b+O(e−2b) より、S>0 の場合
N=λTc′3V[ζ(3/2)+e−cB/(kBTc′)+O(e−2cB/(kBTc′))].
したがって主要な補正は
TcTc′=1−3ζ(3/2)2e−cB/(kBTc)+o(e−cB/(kBTc)).
Reference