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東京大学 理学系研究科 生物科学専攻 2024年8月実施 第4問

Author

祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)

Description

遺伝子の獲得と進化、アブラムシが水平伝播で獲得した遺伝子 YY、および集団間移住を題材として答えよ。

  1. 重複遺伝子がたどる代表的な運命を2つ説明せよ。
  2. 種系統樹の推定にはオルソログとパラログのどちらを用いるべきか。
  3. イソギンチャクがショウジョウバエや線虫より多くのヒト相同遺伝子・保存ドメインをもつ理由を考察せよ。
  4. 「遺伝子 YY はアブラムシのゲノムに存在し、アブラムシ系統だけが水平伝播で獲得した」とする推論に矛盾しないものを全て選べ。
    • (ア)無菌化したアブラムシでは YY が PCR 増幅されない。
    • (イ)昆虫以外の節足動物にも YY があり、アブラムシの YY と単系統になる。
    • (ウ)YY の近傍に同じ生合成経路の別酵素遺伝子がある。
  5. 部分アミノ酸配列の距離から UPGMA 系統樹を選べ。主要な距離は、アブラムシ2種間 0.020.02、真菌2種間 0.320.32、アブラムシ-真菌間 0.330.330.390.39、それ以外は概ね 0.540.54 以上である。選択肢(ア)は
(植物,(Pantoea,(Staphylococcus,((真菌2種),(アブラムシ2種)))))(\text{植物},(\text{Pantoea},(\text{Staphylococcus}, ((\text{真菌2種}),(\text{アブラムシ2種})))))

の順にまとまる樹である。 6. 問5から、遺伝子 YY の獲得時期・起源生物とアブラムシとの生態関係を考察せよ。 7. Hardy-Weinberg 平衡にあり、アレル AA の頻度が 0.40.4 のとき、AaAa の頻度を求めよ。 8. 集団1の AA 頻度を qq、集団2の初期頻度を p0p_0 とする。毎時刻、集団2の割合 mm が退出し、同数が集団1から流入する。ptp_t の漸化式と一般項を求めよ。 9. q=0.5,m=0.01q=0.5,m=0.01 の平衡頻度分布について、(ア)0.50.5 付近に鋭く集中、(イ)幅広い単峰、(ウ)両端で高い、のうち最大集団を表すものを選び、理由を述べよ。

Kai

問1

  • 機能喪失:一方に有害変異が蓄積し、偽遺伝子化して失われる。
  • 機能分化:変異の蓄積により新機能を得る、または祖先機能を分担する。

問2

オルソログを用いる。オルソログは種分化で分かれた相同遺伝子なので種系統を反映するが、パラログは遺伝子重複で分かれた別コピーである。

問3

動物の共通祖先は既に豊富な遺伝子・ドメインをもっていたと考えられる。ショウジョウバエと線虫ではその後の系統特異的な喪失や急速な配列変化が多く、イソギンチャクでは祖先型が比較的よく保存された。

問4

(ア)はゲノム上の存在に、(イ)はアブラムシ系統だけでの獲得に反する。したがって

(ウ)のみ.\boxed{\text{(ウ)のみ}}.

問5

最小距離のアブラムシ2種、次に真菌2種がまとまり、その両群が結合する。以後 Staphylococcus、Pantoea、植物の順に結合するので

(ア).\boxed{\text{(ア)}}.

問6

アブラムシ2種の分岐前、その共通祖先が真菌から YY を獲得したと考えられる。供与体は、アブラムシに共生・寄生するか、餌植物上で接触する真菌だった可能性が高い。

問7

2×0.4×0.6=0.48.\boxed{2\times0.4\times0.6=0.48}.

問8

pt=(1m)pt1+mq.\boxed{p_t=(1-m)p_{t-1}+mq}.

したがって

ptq=(1m)(pt1q),p_t-q=(1-m)(p_{t-1}-q),

より

pt=q+(1m)t(p0q).\boxed{p_t=q+(1-m)^t(p_0-q)}.

問9

(ア).\boxed{\text{(ア)}}.

集団が大きいほど遺伝的浮動が弱く、アレル頻度は移住で定まる q=0.5q=0.5 の近くに強く集中する。

Reference