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東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 2024年8月実施 専門科目B 第1問

Author

藍色日和

Description

を有限群、 を濃度 以上の有限集合とし、推移的な作用 があるとする。そして

とおく。以下の問いに解答しなさい。

(1) 等式

が成り立つことを示しなさい。

(2) の部分集合

を取ったとき、不等式

が成り立つことを示しなさい。

(3) 上の不等式の等号を成立するような作用 で、 であるようなものを一つ挙げなさい。

Kai

(1)

バーンサイドの補題から

である。但し はこの作用の軌道全体の集合である。作用は推移的であったから である。よって結果が従う。

(2)

まず

とおく。このとき

である。一方 (1) に於いて

を示していた。これによって

が得られる。また に再びバーンサイドの定理を適用して

であるから、

が得られる。ここまで得られた式から

が従う。ここで作用 の軌道は つ以上あることを考慮すれば、所望の結果

を得られる。

(3)

とする。そして 交代群 とする。このとき自然な作用 に対して、 になる

個のみである。よってこれは所望の例になっている。