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東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 2024年8月実施 専門科目A 第5問

Author

藍色日和

Description

位相空間 とその間の写像 が次の条件

  • (R1) は単射である。
  • (R2) 任意のコンパクト部分集合 に対して もコンパクトである。

を満たすとする。次の問いに答えなさい。

(1) が共に距離空間ならば は連続であることを示しなさい。 (2) 条件(i) (ii)を満たす で、 が距離空間であり、 が連続でない例を挙げなさい。 (3) 条件(i) (ii)を満たす で、 が距離空間であり、 が連続でない例を挙げなさい。

Kai

(1)

に収束する点列とする。 ここで のある部分列が にする部分列を持たないとし、これを とおく。 ここで は距離空間の点列コンパクト集合、特にコンパクト集合なので、(ii) より は距離空間のコンパクト集合、特に点列コンパクト集合である。 よって は収束部分列を持ち、この収束値を とおく。このとき

であるが、(i) より右辺は であり矛盾が従う。よって は任意の部分列が に収束する部分列を持つから、

が従い、 の連続性が示せた。

(2)

集合としては とし、 に密着位相、 に離散位相を入れる。 を恒等射としたとき、これは条件 (i) (ii) を満たす一方、連続ではない。

(3)

集合としては とし、 には通常の位相を、 には を開集合とする位相を入れる。 を恒等射としたとき、 は条件(i)(ii)を満たす一方、 の開集合ではないから不連続である。