東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 2023年8月実施 専門科目A 第4問
Author
藍色日和
Description
実数 α∈(0,1] に対して広義積分
Iα:=∫01(xα−[xα])dx
Jα:=∫01(α[x1]−[xα])dx
を定める。以下の問いに答えなさい。
(1) I1 は収束し、その値は
n=1∑∞(−n+11−log(1−n+11))
に等しいことを示しなさい。
(2) 等式 Iα=αI1−αlogα を示しなさい。
(3) Jα を求めなさい。
Kai
(1)
まず
∫01(x1−[x1])=N→∞limn=1∑N∫n+11n1x1−ndx=N→∞limn=1∑N∫n+11n1x1dx−n+11=N→∞limn=1∑Nlog(n+1)−logn−n+11=n=1∑∞(−n+11−log(1−n+11))
であることがわかる。ここでテイラーの定理から、limx→0f(x)=0 なる関数 f で
log(1−x)=−x+21x2+f(x)x2
と表せる。よって右辺の積分は
n=1∑∞((21+f(n+11))(n+1)21)
と表される。f は 0 のある近傍で有界であることとから、この級数は収束する。
(2)
Iα=∫01(xα−[xα])dx=α∫0α1(x1−[x1])dx=α(I1+∫1α1(x1−[x1])dx)=α(I1−logα)
であり、これが示したかったことである。
(3)
実際に計算することで、
Jα=∫01α[x1]−[xα]dx=Iα−αI1=−αlogα
である。