東京大学 数理科学研究科 数理科学専攻 2023年8月実施 専門科目A 第3問
Author
藍色日和
Description
標準的な内積の入った線型空間 Rn を考える。以下の条件を満たす自然数 m として最大のものを求めなさい。
- 任意の相異なる i,j に対して vi・vj<0 であるような v1,⋯,vm∈Rn が存在する。
题目描述
考虑带有标准内积的线性空间 Rn。求满足下述条件的自然数 m 的最大值:
- 存在向量 v1,…,vm∈Rn,使得对任意互不相同的 i,j,都有 vi⋅vj<0。
- 两两成钝角的向量集的最大规模:需要利用内积严格为负的条件与 Rn 的维数限制证明规模上界,并构造达到该上界的向量组。
Kai
このような自然数を N(n) とする。まず N(n)≤n+1 であることを背理法で示す。条件を満たすような v1,⋯,vn+2 が存在したとする。このとき
i=1∑n+2aivi=0
を満たすような (a1,⋯,an+2) 全体の集合 W を考える。この集合は次元 ≥2 の線型空間であるから、W の元 a=(a1,⋯,an+2) で、ai>0 を満たすような i と aj<0 を満たすような j が一つ以上存在するようなものを取ることができ、これを一つ固定する。いま
I={i∣ai>0}
J={j∣aj<0}
と置いたとき等式
i∈I∑aivi=j∈J∑(−aj)vj
が成り立つ。この元を v と置いたとき
v・v=(i∈I∑aivi)・j∈J∑(−aj)vj=(i,j)∈I×J∑(−aiaj)vi・vj<0
となり、内積の正定値性に矛盾する。以上から N(n)≤n+1 である。
次に N(n)≥n+1 であることを帰納法によって示す。n=1 のときは v1=1,v2=−1 とすればよい。次に Rn に於いて条件を満たす v1,⋯,vn+1 が取れたとする。このとき正の実数 ε を
ϵ<i,jmin{∣vivj∣∣i=j}
を満たすようにとり、Rn+1 の元 wi を i=1,⋯,n+1 に対しては
wi:=(vi,ε)
と定義し、そして
wn+2:=(0,⋯,0,−ε)
と定義する。このとき w1,⋯,wn+2 は所望の条件を満たしている。
以上から N(n)=n+1 である。