東京大学 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 2019年8月実施 専門基礎科目 第1問
Author
Miyake
Description
以下の間に答えよ。ただし, は実数であるとする。
(間1)
関数 の偏導関数 と を求めよ。また, 曲面 の における接平面の方程式を求めよ。
(間2)
関数 を のまわりで 次の項までテイラー展開せよ。また, 極限
が存在し, を満たすとき, と の値を求めよ.
(間3)
関数 は の 逆関数で, の 定義域と値域は, それぞれ, と であるとする。曲線 を描け。また, この曲線と 軸および 軸で囲まれる領域の面積を求めよ.
(間4)
実関数 が満たす次の微分方程式の一般解を求めよ.
また, 初期値 に対する特解を求めよ。
(間5)
とする。
変数変換 を用いて,次の重積分の値を求めよ。
Kai
(問1)
偏導関数は、
である。
また、 のとき、
であるから、
求める接平面は、点 を通り、法線ベクトル を持つので、
その方程式は、
である。
(問2)
次のように計算できる:
よって、 は1次の項までで次のようにテイラー展開される:
の2次以上の項をまとめて とすると、
であるから、 のときは であり、 のときは発散する。
よって、極限が存在し を満たすのは
のときであり、このとき
である。
(問3)
グラフは、このようになります。
求める面積は、
である。
(問4)
とすると、与えられた微分方程式は、次のように書ける:
そこで、
を考えると、これの一般解は、積分定数を として、
と書ける。
そこで、式 () の解を次のよう形で探す:
これを式 () に代入して整理すると、
よって、
よって、
ここで、 は積分定数である。
また、与えられた初期値を満たすのは、
すなわち、
である。
(問5)
与えられた変数変換について、
であるから、 であり、
与えられた積分は、
となる。