東京大学 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 2018年8月実施 専門基礎科目 第4問
Author
Miyake
Description
k と n を 2 以上の整数とする。確率変数 X∈{1,2,…,k} について, 事象 X=a の確率が
Pr[X=a]={2−a,2−(k−1),a=1,2,…,k−1a=k
で与えられている。また, X1,X2,…,Xn を互いに独立で X 同じ分布に従う確率変数とする。 X1,X2,…,Xn のうちの最小値を Yn=min{X1,X2,…,Xn} とする。以下の問に答えよ。
(問1) k=5 とする。 Pr[X≥a] を a=1,2,3,4,5 に対して求めよ。
(問2) k=5 とする。確率変数 Z=2X の期待値と分散を求めよ。
(問3) k を 2 以上の整数とする。Pr[Yn≥a] を a=1,2,…,k に対して求めよ。
(問4) k を 2 以上の整数とする。Yn の期待値を求めよ。
Kai
(問1)
Pr[X=1]Pr[X=2]Pr[X=3]Pr[X=4]Pr[X=5]=2−1=21=2−2=41=2−3=81=2−4=161=2−4=161
であるから、
Pr[X≥1]Pr[X≥2]Pr[X≥3]Pr[X≥4]Pr[X≥5]=1=21=41=81=161
(問2)
E[Z]E[Z2]V[Z]=E[2X]=a=1∑52aPr[X=a]=2⋅21+4⋅41+8⋅81+16⋅161+32⋅161=6=E[22X]=a=1∑522aPr[X=a]=22⋅21+24⋅41+26⋅81+28⋅161+210⋅161=94=E[Z2]−E[Z]2=58
(問3)
まず、
Pr[Yn≥1]=1
であり、また、 a=2,3,⋯,k に対しては、
Pr[Yn≥a]=Pr[X1≥a and X2≥a and ⋯ and Xn≥a]=Pr[X1≥a]Pr[X2≥a]⋯Pr[Xn≥a]=(1−21−41−⋯−2a−11)n=(2a−11)n=2−(a−1)n
である。この式は a=1 のときも成り立つ。
(問4)
まず、
Pr[Yn=k]=Pr[Yn≥k]=2−(k−1)n
であり、また、 a=1,2,⋯,k−1 に対しては、
Pr[Yn=a]=Pr[Yn≥a]−Pr[Yn≥a+1]=2−(a−1)n−2−an=2an2n−1
である。
よって、求める期待値は、次のようになる:
E[Yn]=a=1∑kaPr[Yn=a]=(2n−1)a=1∑k−12ana+2(k−1)nk=(2n−1)S+2(k−1)nk
ここで、
S=a=1∑k−12ana=2n1+22n2+23n3+⋯+2(k−1)nk−1
とおいた。
2nS=1+2n2+22n3+⋯+2(k−2)nk−1
(2n−1)S=1+2n1+22n1+⋯+2(k−2)n1−2(k−1)nk−1=1−2n11−2(k−1)n1−2(k−1)nk−1
であるから、
E[Yn]=1−2n11−2(k−1)n1+2(k−1)n1
を得る。