東京大学 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 2025年1月実施 問題8
Author
祭音Myyura
Description
頂点集合を V、辺集合を E とする無向グラフを G=(V,E) とする。E に含まれない辺の集合 E={(u,v)∣u,v∈V,(u,v)∈/E} を辺集合とする無向グラフ G=(V,E) を G の補グラフと呼ぶ。G の任意の 2 頂点間に道があるとき G は連結と呼ぶ。
(1) G と G が同時に連結グラフとなる例を示せ。
(2) G が連結グラフか否かを O(∣V∣+∣E∣)-時間で検査するアルゴリズムを設計せよ。
(3) G と G のどちらかは連結グラフとなることを証明せよ。
Kai
(1)
頂点集合: V={1,2,3,4}
G の辺集合: E={(1,2),(2,3),(3,4)}
G は 1—2—3—4 という一本の道になるため、すべての頂点間に道があり連結です。
G の辺集合: E={(1,3),(1,4),(2,4)}
G における辺のつながりをたどると、3—1—4—2 という一本の道になります。したがって、G もすべての頂点間に道があり連結です。
(2)
深さ優先探索(DFS)または幅優先探索(BFS)を用いて、ある頂点から到達可能な頂点を列挙することで検査できる。
(3)
G が連結グラフである場合は題意を満たすため、G が非連結グラフであると仮定したとき、補グラフ G が必ず連結グラフになることを証明する。
このとき、頂点集合 V は互いに素で空でない2つ以上の部分集合(連結成分)に分割できる。
V を2つの空でない集合 A と B に分割し、V=A∪B かつ A∩B=∅ とし、G において A の頂点と B の頂点を結ぶ辺が一つも存在しない状態とする。
補グラフ G の辺集合 E の定義により、G に存在しない辺はすべて G に存在する。したがって、A に属する任意の頂点と、B に属する任意の頂点を結ぶ辺は、すべて G に存在する。
G において、任意の2頂点 u,v∈V 間に道が存在すること(つまり連結であること)を、以下の3つのケースに分けて示す。
- u∈A かつ v∈B の場合:前述の通り、A の頂点と B の頂点の間には必ず辺が存在するため、G には直接結ぶ辺 (u,v) が存在する。
- u,v∈A の場合:B は空ではないため、任意の頂点 w∈B を一つ選ぶことができる。G には辺 (u,w) および (v,w) が必ず存在するため、u—w—v という道が存在する。
- u,v∈B の場合:A は空ではないため、任意の頂点 x∈A を一つ選ぶことができる。同様に、G には辺 (u,x) および (v,x) が存在するため、u—x—v という道が存在する。
以上のすべてのケースにおいて、任意の2頂点間に道が存在することが示された。よって、G が非連結であるならば、G は必ず連結グラフとなる。ゆえに、G と G のうち少なくとも一方は連結グラフである。