東京大学 工学系研究科 機械工学専攻 2016年8月実施 機械工学第2部 問題3
Author
祭音Myyura (Based on SN's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
弦をはじいて鳴らす楽器を製作することを考える。図 3-1 に示すように,土台に固定された片持ちはりに炭素鋼の弦を張る。弦は,突起,および土台によって支持され,片持ちはりに対して平行である。また,楽器の三面図を図 3-2 に示す。片持ちはりは,長さ L,幅 w,厚み t とし,片持ちはりの中心軸から弦の中心軸までの距離は h とする。また,土台と突起は剛体とし,重力は無視できるものとする。工学的に妥当な近似や仮定を適宜用いながら,以下の設問に答えよ。


片持ちはりが剛体の場合について考える。
(1) 弦の 1 次モードの固有振動数を振動数 f に調律したい。弦の直径が d,材料の体積密度が ρ のとき,弦の張力 T をいくらに調整すればよいか,f,L,d,ρ を用いて表せ。ただし,弦を伝わる波の速さ v は,以下の式で与えられる。
v=ρ0T
ここで,ρ0 は弦の線密度である。
次に,f=1.1×102Hz,L=7.0×102mm,d=1.0mm,ρ=8.0g/cm3 のときの張力 T を有効数字 2 桁で求めよ。
(2) 弦の固有振動数を調律するために,弦を巻き取って張力を調整する機構を,以下の 2 つの機能を満たすように考案せよ。
- 固有振動数の精密な調整が可能なこと
- 張力を維持できること
また,その機構によって機能が満たされる理由を説明せよ。
(3) 環境温度が 20∘C のときに張力のない状態で長さが 7.0×102mm の弦は,環境温度が 30∘C になったときどれだけ伸びるかを,有効数字 2 桁で答えよ。ただし,弦の線膨張係数は 1.0×10−5K−1 とする。
(4) 20∘C の環境で,弦の 1 次モードの固有振動数を 1.1×102Hz に調律した。環境温度が 30∘C になったとき,固有振動数はいくらになるかを有効数字 2 桁で答えよ。ただし,弦の直径,体積密度,線膨張係数,ヤング率は,それぞれ 1.0mm,8.0g/cm3,1.0×10−5K−1,2.0×102GPa とし,環境温度の変化による片持ちはりの膨張,収縮は無く,L=7.0×102mm とする。
次に,片持ちはりが弾性体の場合について考える。環境温度は 20∘C とする。
(5) 弦に張力が作用すると,片持ちはりがたわむ。弦の張力が T のときのはりのたわみを y とするとき,片持ちはりの曲げ剛性を,T,h,L,y で表せ。ただし,y は L に比べて十分に小さいものとする。
(6) 設問 (5) の曲げ剛性を実現するために,片持ちはりの材料の持つヤング率 E の条件を,T,h,L,y,w,t で表せ。
(7) 設問 (1) で求めた張力で弦を張ったとき,図 3-3 のように片持ちはりがたわんだ。このときの,片持ちはりの先端から固定端までの直線距離 AO と,弦の長さ BC との差を,有効数字 2 桁で求めよ。ただし,h=10mm,L=7.0×102mm,w=30mm,t=10mm,E=60GPa とする。

(8) 弦の張力による片持ちはりのたわみを抑える方法を 1 つ考案し,50 文字以内で記述せよ。
(9) 弦の振動を電気的な信号に変換することを考える。エレキギターでは,多くの場合,永久磁石の周りに電線を巻きつけたコイルを用いて,誘導電流を発生させることで,弦の振動を電気信号に変換している。弦の振動を電気信号に変換するこれ以外の方法を 1 つ考案し,50 文字以内で記述せよ。
(10) 炭素鋼の線材は,一般的に引抜き加工で製造される。引抜き加工の長所と短所を 1 つずつあげ,それぞれ 50 文字以内で記せ。
(11) 炭素鋼の引抜き加工に用いるダイスの材料として適当なものを 1 つあげよ。
(12) 引抜き加工を行うと,表面の残留応力が引張りになることが多い。線材の表面において,引張りの残留応力を緩和したり,圧縮の残留応力を与えたりする方法を 1 つあげよ。
题目描述
考虑制作拨弦发声的乐器。如图 3-1,在固定于底座的悬臂梁上张设碳钢弦。弦由凸起和底座支承,与悬臂梁平行,三视图见图 3-2。梁长 L、宽 w、厚 t,梁中心轴与弦中心轴相距 h。底座与凸起均视为刚体,忽略重力。可适当采用工程上合理的近似与假设。
先考虑悬臂梁为刚体的情况。
(1) 要将弦的一阶固有频率调至 f。若弦径为 d、材料体积密度为 ρ,用 f,L,d,ρ 表示所需张力 T。弦中波速满足 v=T/ρ0,其中 ρ0 为线密度。再取 f=1.1×102Hz、L=7.0×102mm、d=1.0mm、ρ=8.0g/cm3,计算张力,保留 2 位有效数字。
(2) 设计通过卷绕弦来调节张力的调音机构,必须同时能够精密调节固有频率和保持张力,并说明该机构满足两项功能的理由。
(3) 环境温度 20∘C 时,无张力弦长 7.0×102mm。升温至 30∘C 后伸长多少?保留 2 位有效数字。线膨胀系数为 1.0×10−5K−1。
(4) 在 20∘C 将一阶固有频率调至 1.1×102Hz。环境升至 30∘C 后,固有频率是多少?保留 2 位有效数字。弦径、体积密度、线膨胀系数、杨氏模量分别为 1.0mm、8.0g/cm3、1.0×10−5K−1、2.0×102GPa;梁不随环境温度伸缩,L=7.0×102mm。
再考虑梁为弹性体,环境温度为 20∘C。
(5) 张力使悬臂梁弯曲。弦张力为 T 时梁的挠度为 y,用 T,h,L,y 表示梁的弯曲刚度。y 远小于 L。
(6) 为实现 (5) 的弯曲刚度,用 T,h,L,y,w,t 表示梁材料杨氏模量 E 的条件。
(7) 用 (1) 的张力张弦后,梁按图 3-3 弯曲。求梁端至固定端的直线距离 AO 与弦长 BC 之差,保留 2 位有效数字。取 h=10mm、L=7.0×102mm、w=30mm、t=10mm、E=60GPa。
(8) 提出一种抑制弦张力所致梁挠度的方法,限 50 字以内。
(9) 电吉他通常利用绕在永久磁铁上的线圈产生感应电流,将弦振动转成电信号。提出一种不同于该方法的弦振动转电信号方法,限 50 字以内。
(10) 碳钢线材通常通过拉拔加工制造。各列出一个拉拔加工的优点与缺点,每项限 50 字以内。
(11) 举出一种适合用于碳钢拉拔模具的材料。
(12) 拉拔加工后,表面残余应力常为拉应力。举出一种减小线材表面残余拉应力或赋予其残余压应力的方法。
Kai
(1)
両端固定弦の基本波長は λ=2L、線密度は ρ0=ρπd2/4 である。したがって
f=2L1ρ0T,T=πρd2L2f2.
SI単位で代入すると T=149.012…N より
T=1.5×102N.
(2)
巻取り軸をウォーム減速機で回し、軸にねじ式クランプを設ける。減速比を大きくして微小な巻取り量を調整でき、調律後はクランプを締めて逆転を防止する。弦端は軸に固定する。
(3)
ΔL=αLΔT=7.0×10−2mm.
(4)
断面積を A=πd2/4、初期張力を T0 とする。支持間隔が一定なので
0=EsAT−T0+αΔT,T=T0−EsAαΔT=133.304…N.
線密度の微小変化を無視すると
f30=f20T0T=104.0408…Hz⟹f30=1.0×102Hz.
(5)
微小変形とし、軸力による曲げの二次効果を無視する。はりにはほぼ一定の曲げモーメント M=Th が働く。EIy′′=Th を固定端の境界条件で積分すると、先端で
y=2EIThL2.
よって
EI=2yThL2.
(6)
I=12wt3,E=ywt36ThL2.
(7)
中心軸の曲率半径を R=EI/(Th)、中心角を θ=L/R とする。弦は中心軸より曲率中心側に距離 h だけ離れているので
AO=2Rsin2θ,BC=2(R−h)sin2θ.
したがって
AO−BC=2hsin2θ≃RhL=EITh2L.
EI=150Nm2、T=149.012…N を代入して
AO−BC=7.0×10−2mm.
(8)
はりの厚さを増して断面二次モーメントを大きくする。
(9)
弦を支持する突起に圧電素子を取り付け、振動力を電圧に変換する。
(10)
長所:切りくずを出さず、寸法精度と表面性状の良い細線を連続製造できる。
短所:加工硬化で延性が低下し、大きな減面には中間焼鈍が必要になる。
(11)
超硬合金(WC–Co)。
(12)
ショットピーニングにより表面に圧縮残留応力を与える。
Reference