東京大学 工学系研究科 2020年8月実施 数学2
Author
Miyake
Description
2021年度大学院入学試験問題
数学2(主に線形代数)
Kai
A の固有値を λ とすると、
0∴ λ=det−λ−303−λ−404−λ=−λ(λ2+25)=0,5i,−5i
を得る。
ケーリー-ハミルトンの定理より、A3+25A=0 が成り立つ。
つまり、 a=0,b=25,c=0 である。
A3A5=−25A,=−25A3=(−25)2A,⋯
から、
A2n+1=(−25)nA=(−1)n52nA
がわかる。
上の 3. から、A2n+2=(−1)n52nA2もわかる。
そこで、
exp(tA)=k=0∑∞k!tkAk=I+n=0∑∞(2n+1)!t2n+1A2n+1+n=0∑∞(2n+2)!t2n+2A2+2=I+An=0∑∞(2n+1)!(−1)n52nt2n+1+A2n=0∑∞(2n+2)!(−1)n52nt2n+2=I+A51n=0∑∞(2n+1)!(−1)n(5t)2n+1−A2251n=1∑∞(2n)!(−1)n(5t)2n=I+5sin(5t)A−25cos(5t)−1A2
と計算できるので、
p=251−cos(5t), q=5sin(5t), r=1
がわかる。
II.
PA(n+1)PB(n+1)=PA(n)(1−α)+PB(n)β=PA(n)α+PB(n)(1−β)
なので、
M=(1−ααβ1−β)
である。
M の固有値は 1,1−α−β であり、それぞれに対応する固有ベクトルは、例えば、
(βα), (1−1)
である。
A,Bである確率が一定値に収束するとすると、それは M の固有ベクトルであり、確率は負にならないことを考慮して、
k→∞limPA(k)=α+ββ, k→∞limPB(k)=α+βα
であることがわかる。
PA(∞)=k→∞limPA(k)=α+ββ
と書くことにする。
RA(n+1)RA(n)=PA(n+1)−PA(∞)=PA(n)(1−α)+PB(n)β−PA(∞)=PA(n)(1−α)+(1−PA(n))β−PA(∞)=(1−α−β)PA(n)+β−PA(∞)=PA(n)−PA(∞)
であるから、 PA(n) を消去して、
RA(n+1)=(1−α−β)(RA(n)+PA(∞))+β−PA(∞)=(1−α−β)RA(n)
を得る。
III.
c1(a1+a2)+c2(a2+a3)+⋯+cm(am+a1)=0
が成り立つとしたとき c1=c2=⋯=cm=0
が導かれるかを検討する。
上の式を整理すると、
(c1+cm)a1+(c1+c2)a2+(c2+c3)a3+⋯+(cm−1+cm)am=0
となり、
a1,a2,⋯,am
が1次独立であることから、
c1+cm=c1+c2=c2+c3=⋯=cm−1+cm=0
よって、
c2c3cm=c4=⋯=−c1,=c5=⋯=c1,=−c1
を得る。したがって、 m が奇数のときは
c1=c2=⋯=cm=0 が導かれるので
a1+a2,a2+a3,⋯,am+a1
は1次独立となる。
m が偶数のときはそうは言えない。