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東京大学 工学系研究科 2019年8月実施 数学 第1問

Author

Miyake、後生楽 広小路

Description

2020年度入試問題 Exam paper 数学

Kai

I.

1.

とすると

となるので,式(1)より

となる.これが によらず成り立つのは

である.

2.

問I.1の結果より,式(1)の特殊解は

である.そこで,を 変数とする関数 を用いて

とすると,

となる.よって

となる.ただし, は任意定数である.ゆえに

は解である. のロンスキアン を計算すると

となるから, は線形独立である.したがって,式(1)の一般解は

である.

(前問の結果を用いない)別解

式(1)より

である.両辺を で割ると

となる.両辺に を掛けると

となる.

解説: 変数係数2階線形斉次常微分方程式です. 問I.1では基本解の一つを求めるための誘導がされています. ではなく と書かれているのは,答である のときに 書かれると逆余弦関数 と紛らわしいからでしょう. 問I.2では,問I.1の結果を用いてもう一つの基本解を求めます.

変数係数2階線形微分方程式の解法

このようにして求めた2つの解の線形結合が式(1)の解の全体を表せているのか,つまり2つの解は線形独立であるのかを確認するため,ロンスキアンが0ではないことを調べます. 実は,この微分方程式は特殊解がわからなくても別解のように1階線形非斉次微分方程式に帰着させて解くことができます.しかし,問題文には問I.1の結果を用いよという指示があるので,別解では満点をもらえないでしょう.

II.

として、

ここで、

なので、

III.