東京大学 工学系研究科 2016年8月実施 数学 第3問
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次の問いに答えよ。ただし, は虚数単位であり, は自然対数の底, は自然対数である。
(I)
次の定積分 を考える。
定積分 を複素数 を用いて複素関数積分
の形に書き直したときの複素関数 を求めよ。ただし, 積分路は単位円周上を反時計回リに一周するものとする。
全ての極とその極の位数, および留数を求めよ。
積分を求めよ。
(II)
実数パラメータをもつ実数の関数
に対して以下の定積分を考える。
定積分を複素数を用いて複素関数積分
の形に書き直したときの複素関数を求めよ。ただし, 積分路は単位円周上を反時計回リに一周するものとする。
全ての極とその極の位数, および留数を求めよ。
パラメータを場合分けして, の値を求めよ。ただし, 極が積分路上にある場合は考えなくて良い。
Kai
(I)
とおく。
であるから,
とすると, 。以下, 式が見づらくなるので, と書く。は,
となるので, 極はの2つで, それぞれ2位。における留数は,
における留数も同様にして計算でき,
内の極はのみであることに注意して, 留数定理より,
(II)
であるから,
のとき, 極は存在しない。
のとき, 極はの1つで, 1位.
留数は,
は実数だから, 極は実軸上に存在する。この極が, の内部にあるときと, 外部にある時で場合分けすれば良い。
(i)
かつのとき, 極は内に存在し, 留数定理より,
(ii)
またはのとき, 内に極は存在しないので,