東京大学 工学系研究科 応用化学専攻 2024年度(2023年8月実施) 第1問(物理化学)
Author
祭音Myyura (Based on ソニア's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
希薄溶液の凝固点降下と浸透圧を考える。溶媒 A、溶質 B はともに不揮発性と仮定し、凝固した固体には溶媒のみが含まれるとする。R=8.31 JK−1mol−1 とする。
- 温度 T、質量濃度 c のポリスチレンのトルエン溶液の浸透圧が Π である。van 't Hoff の式に従うとして、数平均モル質量 M を c,T,R,Π で表せ。
- 凝固点降下は ΔTf=Kfb と近似できる。b=nB/W は溶媒質量 W あたりの溶質の物質量である。300 Kで浸透圧100 kPaのポリスチレンのトルエン溶液について、ΔTf を求めよ。トルエンの Kf=3.00 Kkgmol−1、密度は 0.86 gcm−3 とする。
- 純溶媒の凝固点を TMP、溶質のモル分率を xB、溶媒のモル融解エンタルピーを ΔfusH とする。Gibbs–Helmholtz の式を用いて次を導け。必要なら ln(1−x)≃−x、1/(X−x)−1/X≃x/X2(それぞれ x≪1、x≪X)を用いよ。
ΔTf=ΔfusHRTMP2xB.
一次元の時間に依存しない Schrödinger 方程式を
−2mℏ2dx2d2ψ(x)+V(x)ψ(x)=Eψ(x),ℏ=2πh
とする。m,E,V,ψ はそれぞれ質量、全エネルギー、ポテンシャルエネルギー、波動関数である。必要なら π=3.14 を用いよ。
- V(x)=V0 のときの解の一つが ψ(x)=cos[2m(E−V0)x/ℏ] で、運動エネルギーは Ek=p2/(2m) である。これらを用いて de Broglie の関係 p=h/λ を導け。p は運動量の大きさ、λ は波長である。
- 長さ L=10 nm の一次元箱の基底状態は、0≤x≤L で規格化された ψ(x)=2/Lsin(πx/L) を持つ。粒子が 2.5≤x≤5.0 nm に見出される確率を求めよ。
- 二原子分子の振動ポテンシャルが次式で表される。R は原子間距離、D,Re,a は正定数で、eaRe>2 とする。V(R) の概形を描き、D と実際の解離エネルギーの関係を簡潔に説明せよ。
V(R)=D[e−2a(R−Re)−2e−a(R−Re)].
- 上のポテンシャルの最小点付近を力の定数 kf の調和振動子で近似する。a と kf,D の関係を導け。
III
一次可逆反応 A⇌k−1k1B を考える。k1,k−1 は温度 T1 の速度定数であり、t=0 の濃度は [A]0,[B]0 である。
- d[A]/dt を [A],[A]0,[B]0,k1,k−1 で表し、導出せよ。
- [A](t) を t,[A]0,[B]0,k1,k−1 で表し、導出せよ。
- 平衡濃度 [A]eq1,[B]eq1 を求め、平衡定数 K1 と速度定数の関係を導け。
- T1 での平衡から、t=t1 で温度を急速に T2 に変える。新しい速度定数を k2,k−2、新しい平衡濃度を [A]eq2,[B]eq2 とする。x=[A]−[A]eq2、x(t1)=x1 として、x を x1,t,t1,k2,k−2 で表し、導出せよ。
- この温度ジャンプ法を一次可逆反応の解析に用いる利点を説明せよ。
题目描述
I. 考虑非挥发性溶媒A与溶质B组成的稀溶液,凝固时只有纯溶剂析出。①从温度、质量浓度和渗透压求聚苯乙烯的数均摩尔质量;②已知300 K时渗透压100 kPa、甲苯密度0.86 g/cm³、凝固点降低常数3.00 K·kg/mol,求凝固点降低;③用固液化学势相等和 Gibbs–Helmholtz 关系,推导所给凝固点降低公式。
II. ①由常势场下的定态波函数和动能公式推导德布罗意关系;②对长10 nm的一维无限深势阱基态,求粒子位于2.5至5.0 nm区间的概率;③对所给莫尔斯势,画势能曲线并解释势阱深度 D 与实际解离能的关系,其中 eaRe>2;④由平衡位置附近的谐振子近似求 a 与力常数 kf、D 的关系。
III. 一次可逆反应A⇌B在初温 T1 下具有正逆速率常数 k1,k−1。①写A的速率方程;②求A浓度随时间变化;③求平衡浓度与平衡常数;④在 t1 从 T1 突然变温到 T2,新速率常数为 k2,k−2,推导浓度偏差 x(t),并满足 x(t1)=x1;⑤解释温度跃变法的优势。
Kai
I.1
溶質のモル濃度は c/M なので、Π=(c/M)RT より
M=ΠcRT.
I.2
希薄溶液として体積 V 中の溶媒質量を ρV と近似する。ρ=860 kgm−3 より
b=ρnB/V=RTρΠ=8.31×300×8601.00×105≃0.0466 molkg−1.
したがって
ΔTf=Kfb=3.00×0.0466≃0.14 K.
I.3
凝固温度 T では純溶媒の固相と溶液中の溶媒の化学ポテンシャルが等しい。理想希薄溶液に対して
μAs,∗=μAl,∗+RTlnxA.
ΔfusG=μAl,∗−μAs,∗ と定義すると、lnxA=−ΔfusG/(RT)。Gibbs–Helmholtz の式より
dTdlnxA=RT2ΔfusH.
小さな温度区間で融解エンタルピーを一定とし、xA=1,T=TMP から積分すると
ln(1−xB)=−RΔfusH(T1−TMP1).
T=TMP−ΔTf、xB≪1、ΔTf≪TMP を用いて
xB≃RΔfusHTMP2ΔTf,ΔTf=ΔfusHRTMP2xB.
II.1
E>V0 では空間波数 k と波長の関係は k=2π/λ。与えられた解と比較すると
λ2π=ℏ2m(E−V0)=ℏp.
したがって p=h/λ。
II.2
P=∫L/4L/2L2sin2Lπxdx=[Lx−2π1sinL2πx]L/4L/2=41+2π1≃0.409.
II.3
V(0)=DeaRe(eaRe−2)>0、V(Re)=−D、V(R)→0−(R→∞)である。導関数は
V′(R)=2aD[e−a(R−Re)−e−2a(R−Re)]
であり、R<Re で減少、R>Re で増加する。

最低振動準位は極小値より零点エネルギー Ezp だけ高い。したがって基底振動状態からの解離エネルギーは
D0=D−Ezp<D.
図の準位の高さは模式的なものである。
II.4
V′(Re)=0、V′′(Re)=2Da2 より
V(R)=−D+Da2(R−Re)2+O((R−Re)3).
調和振動子の 21kf(R−Re)2 と比較して
kf=2Da2,a=2Dkf.
III.1
全濃度 C0=[A]0+[B]0=[A]+[B] は保存される。よって
dtd[A]=−k1[A]+k−1[B]=−(k1+k−1)[A]+k−1C0.
III.2
s=k1+k−1 として定常解 k−1C0/s を引くと、その差は e−st に比例する。初期条件から
[A](t)=sk−1C0+(k1[A]0−k−1[B]0)e−st.
III.3
t→∞ の極限より
[A]eq1=k1+k−1k−1C0,[B]eq1=k1+k−1k1C0.
したがって
K1=[A]eq1[B]eq1=k−1k1.
III.4
[A]=[A]eq2+x、[B]=[B]eq2−x とし、平衡条件 k2[A]eq2=k−2[B]eq2 を用いると
dtdx=−(k2+k−2)x.
t=t1 の条件を適用して
x(t)=x1e−(k2+k−2)(t−t1)(t≥t1).
III.5
温度を急変させることで、通常の混合操作では追跡しにくい速い反応の緩和を測定できる。緩和時間 τ=1/(k2+k−2) と平衡定数 K2=k2/k−2 を求めれば、正逆の速度定数を分離して
k2=(1+K2)τK2,k−2=(1+K2)τ1
と決定できる。
Reference