東京大学 総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系 2023年8月実施 総合科目 第1問(数学)
Author
祭音Myyura (Based on Miyake's answer refined with GPT 6 Astra)
Description
実変数 x の実関数 y=y(x) に対する次の (a)~(d) の常微分方程式から 1 つを選んで、その一般解を初等関数で書け。ただし、この (a)~(d) の中には初等関数の範囲で解けないものもあるので注意すること。解答には (a)~(d) のいずれを選んだかを明記すること。
(a) dx2d2y−xy=0.
(b) 2xydxdy+y2+x2=0.
(c) dxdy+x2y+x5=0.
(d) dxdy+y2+2x=0.
次の定積分 In (n=0,1,2) の値を求めよ。
In=∫0∞x2+1(logx)ndx.
III
以下の命題について、真ならば証明し、偽ならば反例を挙げてそれが反例であることを示せ。
「実数から実数への微分可能な関数 f(x) が x→∞ の極限で収束するならば、x→∞limf′(x)=0 である。」
n を正の整数とする。n 次エルミート行列 A に対して、その固有値が全て正の実数であるとき、A は正定値であるという。以下の (1)~(4) を示せ。ただし、n 次エルミート行列 A が正定値であるならば、A=C2 を満たす可逆な n 次エルミート行列 C が存在することを用いてよい。
(1) n 次エルミート行列 A が正定値であるための必要十分条件は、任意のゼロベクトルでない n 次元複素ベクトル v に対して (v,Av)>0 が成り立つことである。ここで (v,w)=i=1∑nviwi である。
(2) n 次エルミート行列 A が正定値であるならば、任意の可逆な n 次正方行列 X に対し、X†AX もまた正定値のエルミート行列である。ここで X† は X のエルミート共役である。
(3) X,Y をエルミートとは限らない一般の n 次正方行列とする。このとき、X が可逆なら、XY の固有値と YX の固有値は一致する。
(4) A と B を正定値の n 次エルミート行列とする。このとき、AB の固有値はすべて正の実数である。
P(x,t) を時刻 t≥0 における x∈(−∞,∞) に関する確率分布関数とする。P(x,t) が次の偏微分方程式を満たすとして、以下の (1)~(3) に答えよ。
∂t∂P(x,t)=∂x2∂2P(x,t)+2∂x∂P(x,t).
(1) 初期分布を P(x,0)=Ce−3x2 とする。P(x,0) が確率分布になるように係数 C を定めよ。
(2) P(x,0) の x に関するフーリエ変換 P(k,0) を求めよ。
(3) 時刻 t>0 における P(x,t) を求めよ。
题目描述
从下列实变量 x 的实函数 y=y(x) 所满足的常微分方程 (a)~(d) 中选择一个,用初等函数写出其通解。注意:其中也有无法在初等函数范围内求解的方程。解答中须明确注明所选编号。
(a) dx2d2y−xy=0.
(b) 2xydxdy+y2+x2=0.
(c) dxdy+x2y+x5=0.
(d) dxdy+y2+2x=0.
求定积分 In (n=0,1,2) 的值。
In=∫0∞x2+1(logx)ndx.
III
判断下列命题。若为真则证明;若为假则给出反例,并证明该例确实构成反例。
“若从实数到实数的可微函数 f(x) 在 x→∞ 的极限下收敛,则 x→∞limf′(x)=0。”
设 n 为正整数。当 n 阶厄米矩阵 A 的所有特征值都是正实数时,称 A 为正定矩阵。证明 (1)~(4)。可以使用下述事实:若 n 阶厄米矩阵 A 正定,则存在满足 A=C2 的可逆 n 阶厄米矩阵 C。
(1) n 阶厄米矩阵 A 正定的充要条件为:对任意非零 n 维复向量 v,都有 (v,Av)>0。这里 (v,w)=i=1∑nviwi。
(2) 若 n 阶厄米矩阵 A 正定,则对任意可逆 n 阶方阵 X,X†AX 也是正定厄米矩阵。其中 X† 是 X 的厄米共轭。
(3) 设 X,Y 为一般的 n 阶方阵,不要求为厄米矩阵。若 X 可逆,则 XY 和 YX 的特征值相同。
(4) 设 A,B 为正定 n 阶厄米矩阵,则 AB 的全部特征值均为正实数。
设 P(x,t) 为时刻 t≥0、关于 x∈(−∞,∞) 的概率分布函数。若其满足下列偏微分方程,回答 (1)~(3)。
∂t∂P(x,t)=∂x2∂2P(x,t)+2∂x∂P(x,t).
(1) 初始分布为 P(x,0)=Ce−3x2。确定系数 C,使 P(x,0) 成为概率分布。
(2) 求 P(x,0) 关于 x 的傅里叶变换 P(k,0)。
(3) 求时刻 t>0 的 P(x,t)。
Kai
(c) を選ぶ。積分因子 ex3/3 を掛けると
dxd(yex3/3)=−x5ex3/3.
u=x3/3 と置いて積分すれば ∫x5ex3/3dx=(x3−3)ex3/3 なので、任意定数 C1∈R を用いて
y=C1e−x3/3−x3+3.
−1<a<1 に対して、t=x2 と置くと
J(a)=∫0∞1+x2xadx=21∫0∞1+tt(a−1)/2dt=2cos(πa/2)π.
最後の等式はベータ積分と Γ(z)Γ(1−z)=π/sin(πz) による。a=0 の近傍で積分内微分できるため、
I0=J(0)=2π,I1=J′(0)=0,I2=J′′(0)=8π3.
III
命題は偽である。反例として
f(x)={sin(x2)/x,0,x=0,x=0
をとる。f′(0)=limh→0sin(h2)/h2=1 であり、全実数上で微分可能である。また ∣f(x)∣≤1/∣x∣ より f(x)→0。一方、x=0 では
f′(x)=2cos(x2)−x2sin(x2).
xn=2πn では f′(xn)=2、yn=(2n+1)π では f′(yn)=−2 なので、導関数は 0 に収束しない。
(1)
スペクトル定理より A=Udiag(λ1,…,λn)U† と書ける。w=U†v とすれば
v†Av=i=1∑nλi∣wi∣2.
全固有値が正なら、v=0 に対して右辺は正である。逆に固有ベクトル vi=0 を代入すると λi∥vi∥2>0 なので全固有値が正になる。
(2)
(X†AX)†=X†AX。X の可逆性により v=0 なら Xv=0 であり、
v†X†AXv=(Xv)†A(Xv)>0.
(1) より正定値である。
(3)
X−1(XY)X=YX より両者は相似であり、重複度を含めて固有値が一致する。
(4)
A=C2 を満たす可逆エルミート行列 C をとると
C−1(AB)C=CBC=C†BC.
右辺は (2) より正定値エルミート行列である。相似変換は固有値を変えないので AB の全固有値は正の実数である。
(1)
∫−∞∞e−3x2dx=π/3 より
C=3/π.
(2)
変換を P(k,t)=∫RP(x,t)e−ikxdx と定義する。ガウス積分より
P(k,0)=e−k2/12.
(3)
方程式をフーリエ変換すると ∂tP=(−k2+2ik)P。したがって
P(k,t)=exp[−(t+121)k2+2ikt].
逆変換により
P(x,t)=π(1+12t)3exp[−1+12t3(x+2t)2].
これは平均 −2t、分散 1/6+2t の正規分布であり、初期条件と規格化を満たす。
Reference