東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2023年8月実施 第4問
Author
Kurosu9991
Description
指数分布 Exp(λ) とは、 λ>0 に対して確率密度関数
p(x)=λexp(−λx)
で定義される非負実数上の確率分布である。
独立に Exp(λ) に従う確率変数列 X1,X2,… を考える。
以下の設問に答えよ。
(1) c>0 に対して、 X1≥c という条件のもとでの X1−c の条件付き確率密度関数を求めよ。
(2) Y=min(X1,X2),Z=max(X1,X2) とするとき、 Y,Z−Y それぞれの確率密度関数を求めよ。
(3) X1+⋯+Xn の確率密度関数を求めよ。
(4) a>0 に対して、 X1+⋯+XN≤a<X1+⋯+XN+1 によって定まる確率変数を N とする。
a<X1 のときは N=0 とする。
N に基づく λ の最尤推定量 λ^(N) 、および λ^(N) の期待値と分散を求めよ。
Kai
(1)
P(X1−c>x∣X1≥c)=P(X1≥c)P(X1>x+c)=e−λx(x≥0)
よって、
pX1−c∣X1≥c(x)=dxdP(X1−c≤x∣X1≥c)=λexp(−λx)=p(x)
(2)
P(Y>y)=P(X1>y,X2>y)=e−2λy
よって、
pY(y)=2λe−2λy
また、
pY,Z(y,z)=2pX1(y)pX2(z)=2λ2e−λ(y+z)
であるので、
pZ∣Y(z∣y)=pY(y)pY,Z(y,z)=λe−λ(z−y)
さらに、
pZ−Y∣Y(t∣y)=pZ∣Y(t+y∣y)=λe−λt
は y に依存しないため、
pZ−Y(t)=pZ−Y∣Y(t∣y)=λe−λt
が成り立つ。
(3)
モーメント母関数を考える。
MX1(t)=E(etX1)=∫0∞λe−(λ−t)xdx=λ−tλ(λ>t)
MX1+⋯+Xn(t)=(MX1(t))n=(λ−t)nλn
ラプラス変換によって、
pX1+⋯+Xn(x)=L−1{MX1+⋯+Xn(−t)}=(n−1)!λnxn−1e−λx
(4)
P(N=0)=P(X1>a)=e−λa
P(N=k)=P(X1+⋯+Xk≤a)−P(X1+⋯+Xk+1≤a)=∫0a(k−1)!λkxk−1e−λxdx−∫0ak!λk+1xke−λxdx=∫0a((k−1)!λkxk−1−k!λk+1xk)e−λxdx=(k!λkxke−λx)0a=k!(λa)ke−λa(k=1,2,…)
明らかに、 N はポアソン分布に従って、
E(N)=λaV(N)=λa
である。
各非負の整数 n=0,1,… に対して、
L(λ)=P(N=n)=n!(λa)ne−λa
l(λ)=log(L(λ))=nlog(λa)−λa−log(n!)
∂λ∂l(λ)=λn−a=0⟹λ^=an
したがって、最尤推定量は
λ^(N)=aN
であり、
E(λ^(N))=a1E(N)=λ
V(λ^(N))=a21V(N)=aλ
がわかる。