跳到主要内容

東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2023年8月実施 第3問

Author

Kurosu9991

Description

実数全体の集合を 、複素数全体の集合を で表す。 虚数単位を 、自然対数の底を とおく。 周期 の関数 に対し、ノルム

と定める。正の整数 に対し、

を定める。

関数 を周期 の連続関数とし、各正の整数 に対して

を満たす が存在するとする。 ただし、 によらない定数である。 以下の設問に答えよ。

(1) 各正の整数 に対して、

が成り立つことを示せ。

(2) 関数 の導関数を と書く。 関数列 が、ある周期 の連続関数 上で一様収束することを示せ。 ただし、以下の2つの事実を証明せずに用いてよい。

上の複素数値連続関数全体の集合を で表す。 このとき、ノルム空間 は完備である。

各正の整数 と任意の に対して

が成り立つ。

(3) 上微分可能であることを示せ。

Kai

(1)

(2)

よって、 に対して

となる。 ゆえに、 はコーシー列であり、ノルムの定義と完備性より

が成立する。

(3)

また、 であるため、

となる。つまり、 上微分可能である。