東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2019年8月実施 第5問
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各要素が有理数の配列を考える。配列
を最小にする長さ
(1) 長さ
- (1-1)
ならば、 かつ であることを示せ。 - (1-2)
かつ とする。このとき かつ であることを示し、 を求めよ。
(2) 配列
Kai
まず、これは問題に誤りがあると思われる。例えば
などとすると、近似配列に一意性は無いことが分かるが、そのようなことが(1-1)では考慮されていない様に見受けられる。
以下、この議論は省略する。
(1)
(1-1)
のとき、 番目以下に関して、実行可能領域が狭まるので、解は悪化する。 番目に関しても悪化。よって、全体で悪化しており、これは最適解にはならない。 のとき、 より、 の値を小さくすれば改善される。よって、これは最適解にはならない。
(1-2)
(注意:この問題は、見かけよりも難しいはずです。 対策会ではこの問題の厳密性を持った解答が出なかったらしいです)
問題で与えられている近似配列について、
いま、
続いて、同様に、
近似配列の形から、また、
以下、帰納的に考えると、
あとは、この条件の元での最適解が以下で示す形であることから、前半の題意は直ちに従う。
よって、
(2)
DP をする。
、(1-1)より、 で最適 、 だけ、全体(つまり、 も も)をずらすと、(1-2) に帰着される。よって、近似配列が定まる。(記述は難しい。ここがある意味本質だと思うが、図を書いた方が分かりやすいので、ここでは省略する。ある人に対して説明した際には、「顔を傾ける」という表現をした。その方が意味として本質的かも知れない)
これは明らかに多項式時間で求まる。