東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2019年8月実施 第4問
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hari64boli64
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整数 と実数 に対する関数 がしたがう微分方程式
を考える。ただし、関数 は任意の整数 に対して
を満たすものとする。ここで は 以上の整数とする。
また、整数 に対し と定める。
ここで は虚数単位である。以下の設問に答えよ。
(1) 整数 に対し を実数 の関数とし、 とする。ここで は複素数である。
の形の関数が微分方程式 (*) と条件 (**) を満たすとき、 を求めよ。
(2) を 次元複素ベクトルとする。初期条件 のもとで、微分方程式 (*) の解を条件 (**) のもとで求めよ。
(3) (2) で求めた解 に対して、 を求めよ。
Kai
(1)
そして、これは より、条件 (**) を満たす。
(2)
(1) の形で書けるとまず仮定して、与えられた初期条件を適用すると、 となる。
しかし、これでは が に依存してしまうので、条件に反してしまう。
なので、 を に依存しないように定めたい。
ここで、 という形で書けることを利用する。
ただし、 である。これは離散フーリエ変換に相当する。
なお、このような形で書けることは、以下で確認することが出来る。
この事を利用すると、
とすれば、
となり、特に、(1) より、これは条件 (*), (**) を共に満たす。
よって、
が解となる。
(3)
Knowledge
離散フーリエ変換