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東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2019年8月実施 第3問

Author

hari64boli64

Description

を体、 を正整数とする。 上の 変数の有理関数のなす体とし、 および で生成される の部分環 で表す。 また 上の 変数多項式環とする。以下の設問に答えよ。

(1) 元 において、各変数 を代入して得られる の元を で表す。この写像 は環の準同型である。 のイデアルとするとき、 のイデアルであることを示せ。

(2) について と定める。また、

と定める。任意の元 に対して、 となる の元 の元 が存在することを示せ。

(3) で生成される のイデアルを で表す。ker を示し、 が剰余環 と同型であることを示せ。

Kai

(1)

以下の二つを言えばよい。

  • は加法について部分群である。も加法についての部分群であるので明らか。

  • より従う。

(2)

自明

(3)

は代入すれば明らか。

は、(2)より ならば が言えればよい。

説明が難しいが、 が無関係だということを言えばok? (自信なし)

後半は準同型定理より、

Knowledge

斜体ならば可換性を課さないが、体ならば可換性がある。

体の定義は以下の通り。


空でない集合が体(field)であるとは,

  • が単位元を持つ可換環
  • でない任意の元が乗法逆元を持つ,すなわち, に対し, となるものが存在する。言い換えると であるの2つが成り立つことをいう。ただし,とはの乗法群を指す。

この時、右イデアルと左イデアルは同じになる。

イデアルの定義は以下の通り。


を環とし, とする。 について,

  • は加法について部分群である
  • ...(中略)...,1,2,3 が成り立つとき,両側イデアル (two-sided ideal) という。

から生成された有限生成イデアルの一般形は以下の通り。

群の準同型定理の主張は以下の通り。

群準同型 に対して、写像 は群準同型であり、特に、 である。