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東京大学 情報理工学研究科 数理情報学 2016年8月実施 第5問

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hari64boli64

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頂点集合 と枝集合 からなる連結無向グラフ を考える。 頂点 に接続する枝の本数を と書く。 ただし、 は自己閉路や多重枝は無いものとする。 行列

と定義する。以下の設問に答えよ。

(1) 行列 のべき乗 成分は何を表わすか。

(2) 2 頂点間の距離をその 2 頂点を結ぶ経路の最小枝数で定める。任意の 2 頂点間の距離は、 の相異なる固有値の個数より小さいことを示せ。

(3) 行列 の非零固有値に対応する固有ベクトル について、 となることを示せ。

(4) 行列 の固有値はすべて非負実数であることを示せ。

(5) 関数

と定義し、 に関する微分方程式系

を考える。初期値 に対する解 の極限 を求め、収束の速さについて論じよ。

Kai

(1)

頂点 から頂点 へ長さが の経路の数

(2)

ケーリーハミルトンの定理より、背理法

(3)

(4)

(5)

より、 となる。

の固有値が全て非負実数の為、 となる。

また、収束の速さは の固有値に依存する。