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東京大学 情報理工学系研究科 2025年8月実施 数学 第1問

Author

祭音Myyura (co-authored with GPT 6 Astra)

Description

実正方行列に関する以下の問いに答えよ.

(1) 行列 AA

A=(5404500016)A=\begin{pmatrix} 5&-4&0\\ -4&5&0\\ 0&0&16 \end{pmatrix}

で定める.

  • (i) AA の固有値をすべて求めよ.また,それぞれの固有値に対して,それに対応する固有ベクトルを一つ求めよ.
  • (ii) 条件 B2=AB^2=A を満たす正定値実対称行列 BB を一つ求めよ.

(2) CC を正定値実対称行列とする.条件 D2=CD^2=C を満たす正定値実対称行列 DD が一意に存在することを示せ.

(3) 実正方行列 FF は正則であるとする.

  • (i) 条件 F=SU=VTF=SU=VT を満たす正定値実対称行列 S,TS,T および直交行列 U,VU,V がそれぞれ一意に存在することを示せ.
  • (ii) 問 (i) の SSTT が条件 T=F1SFT=F^{-1}SF を満たすことを示せ.
  • (iii) 問 (i) の UUVV が条件 U=VU=V を満たすことを示せ.

题目描述

回答下列关于实方阵的问题。

(1)定义

A=(5404500016).A=\begin{pmatrix} 5&-4&0\\ -4&5&0\\ 0&0&16 \end{pmatrix}.
  • (i)求 AA 的全部特征值,并为每个特征值给出一个对应的特征向量。
  • (ii)求一个满足 B2=AB^2=A 的实对称正定矩阵 BB

(2)设 CC 是实对称正定矩阵。证明存在唯一的实对称正定矩阵 DD,使得 D2=CD^2=C

(3)设实方阵 FF 可逆。

  • (i)证明存在唯一的实对称正定矩阵 S,TS,T 和正交矩阵 U,VU,V,使得 F=SU=VTF=SU=VT
  • (ii)证明(i)中的 S,TS,T 满足 T=F1SFT=F^{-1}SF
  • (iii)证明(i)中的 U,VU,V 满足 U=VU=V

Kai

(1)

(i)

det(λIA)=(λ16)((λ5)216)=(λ1)(λ9)(λ16).\det(\lambda I-A)=(\lambda-16)\bigl((\lambda-5)^2-16\bigr) =(\lambda-1)(\lambda-9)(\lambda-16).

したがって,固有値と対応する固有ベクトルの一例は

固有値固有ベクトル1(1,1,0)T9(1,1,0)T16(0,0,1)T\boxed{ \begin{array}{c|c} \text{固有値}&\text{固有ベクトル}\\\hline 1&(1,1,0)^{\mathsf T}\\ 9&(1,-1,0)^{\mathsf T}\\ 16&(0,0,1)^{\mathsf T} \end{array}}

である.

(ii)

(i) の固有ベクトルを正規化して並べた直交行列を QQ とすると, A=Qdiag(1,9,16)QTA=Q\operatorname{diag}(1,9,16)Q^{\mathsf T} である.よって

B=Qdiag(1,3,4)QT=(210120004)\boxed{ B=Q\operatorname{diag}(1,3,4)Q^{\mathsf T} =\begin{pmatrix} 2&-1&0\\ -1&2&0\\ 0&0&4 \end{pmatrix}}

とすれば,BB は正定値実対称行列であり,B2=AB^2=A を満たす.

(2)

実対称行列の直交対角化により,

C=Qdiag(λ1,,λm)QT,λi>0C=Q\operatorname{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_m)Q^{\mathsf T}, \qquad \lambda_i>0

と書ける.したがって

D=Qdiag(λ1,,λm)QTD=Q\operatorname{diag}(\sqrt{\lambda_1},\ldots,\sqrt{\lambda_m})Q^{\mathsf T}

は求める正定値実対称行列である.

一意性を示す.正定値実対称行列 EEE2=CE^2=C を満たすとすると, EC=E3=CEEC=E^3=CE であるから,EECC の各固有空間を不変にする. 固有値 λ\lambda の固有空間上で,EE の制限は正定値実対称行列であり, その固有値 μ\muμ>0\mu>0 かつ μ2=λ\mu^2=\lambda を満たす. よってこの制限は λI\sqrt\lambda I である. EEDDCC のすべての固有空間で一致するので,E=DE=D が従う.

(3)

(i)

FF は正則なので FFTFF^{\mathsf T}FTFF^{\mathsf T}F は正定値実対称行列である. (2) で得た一意な正定値平方根を用いて

S=(FFT)1/2,U=S1F,T=(FTF)1/2,V=FT1\boxed{ S=(FF^{\mathsf T})^{1/2},\quad U=S^{-1}F, \qquad T=(F^{\mathsf T}F)^{1/2},\quad V=FT^{-1}}

と定める.このとき

UUT=S1FFTS1=I,VTV=T1FTFT1=IUU^{\mathsf T}=S^{-1}FF^{\mathsf T}S^{-1}=I, \qquad V^{\mathsf T}V=T^{-1}F^{\mathsf T}FT^{-1}=I

であり,U,VU,V は直交行列で,F=SU=VTF=SU=VT が成り立つ.

逆にこのような分解があれば, S2=FFTS^2=FF^{\mathsf T}T2=FTFT^2=F^{\mathsf T}F となる. (2) により S,TS,T は一意であり,U=S1FU=S^{-1}FV=FT1V=FT^{-1} も一意である.

(ii)

F=SUF=SU より

H:=F1SF=UTSUH:=F^{-1}SF=U^{\mathsf T}SU

は正定値実対称行列であり,

H2=UTS2U=FTF=T2.H^2=U^{\mathsf T}S^2U=F^{\mathsf T}F=T^2.

(2) の一意性から,T=F1SF\boxed{T=F^{-1}SF} である.

(iii)

(ii) の T=UTSUT=U^{\mathsf T}SU より

UT=SU=F=VT.UT=SU=F=VT.

TT は正則なので,U=V\boxed{U=V} が従う.

Knowledge

固有値と固有ベクトル,実対称行列の直交対角化,正定値平方根,極分解.