東京大学 情報理工学研究科 2022年8月実施 数学 第2問
Author
Miyake
Description
t を実数の独立変数、x(t) と y(t) を実数値関数として、以下の問いに答えよ。
(1) 常微分方程式
dt2d2x+2dtdx+x=cos(t)
の t→−∞ で有界である解を全て求めよ。
(2) 常微分方程式
dt2d2x+2dtdx+x−ydt2d2y+2dtdy+y−x=cos(t)=0
の t→−∞ で有界である解 x(t) と y(t) をすべて求めよ。
(3) 適切な変数変換によって常微分方程式
e−tx2−2dtdx+x=0
を線形な常微分方程式に変換し、x(0)=21 となる解 x(t) を求めよ。
Kai
(1)
まず、
dt2d2x+2dtdx+x=0
に x=eλt ( λ は t によらない定数)を代入すると、
λ2+2λ+1=0∴ λ=−1 (重解)
となるので、この微分方程式の一般解は
x=Ce−x+Dxe−x (C,D は積分定数 )
である。
次に、与えられた微分方程式に
x=Asin(t)+Bcos(t) ( A,B は t によらない定数)を代入すると、
A=21, B=0
を得るので、
x=21sin(t)
は特殊解である。
以上より、与えられた微分方程式の一般解は
x=Ce−x+Dxe−x+21sin(t) (C,D は積分定数 )
である。よって、 t→−∞ で有界である解は
x=21sin(t)
である。
(2)
z=x+y とおくと、
dt2d2z+2dtdz=cos(t)
が成り立ち、 (1) と同じように考えて、これの一般解は
z=Ae−2t+B+52sin(t)−51cos(t) (A,B は積分定数 )
であることがわかる。
w=x−y とおくと、
dt2d2w+2dtdw+2w=cos(t)
が成り立ち、 (1) と同じように考えて、これの一般解は
w=Ce−tsin(t)+De−tcos(t)+52sin(t)+51cos(t) (C,D は積分定数 )
であることがわかる。
以上より、与えられた微分方程式の一般解は
xy=2z+w=Ae−2t+B+Ce−tsin(t)+De−tcos(t)+52sin(t),=2z−w=Ae−2t+B−Ce−tsin(t)−De−tcos(t)−51cos(t)(A,B,C,D は積分定数 )
である。よって、 t→−∞ で有界である解は
xy=B+52sin(t),=B−51cos(t)(B は任意定数 )
である。
(3)
与えられた微分方程式はベルヌーイ方程式なので、
y=1/x とおくことで、線形な微分方程式が得られる:
dtdy∴ 2dtdy+y=−x21dtdx=−x2121(e−tx2+x)=−21(e−t+x1)=−21(e−t+y)=−e−t.
この方程式に y=f(t)e−t/2 を代入して整理すると、
dtdf∴ f(t)=−21e−21t=e−21t+C (C は積分定数 )
となるので、一般解
y(t)∴ x(t)=(e−21t+C)e−21t=e−t+Ce−21t (C は積分定数 )=e−t+Ce−21t1=1+Ce21tet (C は積分定数 )
を得る。さらに、 x(0)=1/2 を使うと、
1+C1∴ C=21=1
となるので、求める解は
x(t)=1+e21tet
である。