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東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 2018年8月実施 専門 第4問

Author

祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)

Description

Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection(CSMA/CD)は、イーサネットのような有線ローカル・エリア・ネットワークで利用される多元接続方式である。

CSMA/CD においては、伝送ケーブル上に搬送波が検出された場合、carrierSense\mathit{carrierSense} 信号が ON になる。そして、伝送ケーブルに二つまたはそれ以上の局からの信号がある場合、collisionDetect\mathit{collisionDetect} 信号が ON になる。局が送出すべきフレームがある場合、carrierSense\mathit{carrierSense} 信号が OFF であれば一定時間後送信を開始してもよい。そして、carrierSense\mathit{carrierSense} 信号が ON であれば、局は送信を控え、carrierSense\mathit{carrierSense} 信号が OFF になるまで待たねばならない。局が送信を開始した後に衝突が発生すれば、ジャムと呼ばれるビットシーケンスが送信され、他の局にも衝突が通知される。ジャム送信後、局は乱数によって決められた時間 TT だけ待ち、再び送信を試みることができる。以下の問いに答えよ。

(1) 伝送速度が 10 Mbps10\ \mathrm{Mbps}、ケーブルの最大長が 2.5 km2.5\ \mathrm{km}、ケーブル中の信号の伝搬速度を 2.0×105 km/s2.0\times10^5\ \mathrm{km/s} とする。CSMA/CD のプロトコルが正しく機能するために必要なフレームの最小長を求めよ。

(2) イーサネットでは、べき乗バックオフ・アルゴリズムにより TT を決定する。べき乗バックオフ・アルゴリズムを採用する利点と欠点を述べよ。

(3) べき乗バックオフ・アルゴリズムを用いた有線ローカル・エリア・ネットワークに多くの局が存在する場合、チャネル効率を改善させるための方法を述べよ。

(4) 無線通信ネットワークではフレームの衝突を検知することが難しい理由を述べよ。

(5) IEEE 802.11 規格による無線ローカル・エリア・ネットワークにおける衝突回避機構について説明せよ。

Kai

(1)

最遠端で生じた衝突が送信局に戻るまで送信を続けている必要がある。片道伝搬時間は

τ=2.52.0×105=12.5 μs.\tau=\frac{2.5}{2.0\times10^5}=12.5\ \mu\mathrm{s}.

したがって、フレーム送信時間は 2τ2\tau 以上であり、

Lmin=107×25×106=250 bit.\boxed{L_{\min}=10^7\times25\times10^{-6}=250\ \mathrm{bit}.}

オクテット単位なら切り上げて 32 Bytes32\ \mathrm{Bytes} となる。

(2)

衝突回数を kk とし、概ね 0,,2k10,\ldots,2^k-1 から一様乱数を選んで待ち時間を決める。衝突が続くほど選択範囲を広げることで、多数の局が同時に再送する確率を低下させる。軽負荷時は短い待ち時間で済む。

一方、高負荷時には待ち時間とそのばらつきが大きくなり、遅延上限を保証できない。また、特定の局が連続して送信権を得るなど、公平性が損なわれる場合がある。

(3)

ブリッジやスイッチで衝突ドメインを分割し、同一共有媒体上で競合する局数を減らす。さらに、スイッチとのポイント・ツー・ポイント接続を全二重化すれば衝突そのものをなくせる。

(4)

送信中は自局の強い送信信号が弱い他局信号を覆うため、衝突の検出が難しい。また、互いの電波が届かない隠れ端末が同じ受信局へ送信すると、送信局では検知できなくても受信局で衝突する。

(5)

CSMA/CA を用いる。媒体が DIFS の間空いていることを確認した後、競合ウィンドウからランダムに選んだバックオフを行い、カウンタが 00 になれば送信する。媒体が使用中になればカウンタを停止し、再び空いてから再開する。

受信局は正常受信後に SIFS を置いて ACK を返す。送信局は ACK が来なければ失敗と判断し、競合ウィンドウを拡大して再送する。また、必要に応じて RTS/CTS を交換し、その期間を聞いた局に NAV による送信抑制を行わせ、隠れ端末による衝突を減らす。