東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 2012年8月実施 専門 第5問
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)
Description
一定の時間間隔で、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのランプの光る装置がある。その光り方には、以下のような特徴がある。
- R の直後には、R と G のどちらかが、それぞれ 0.8 と 0.2 の確率で光る。
- G の直後には、G と B のどちらかが、それぞれ 0.9 と 0.1 の確率で光る。
- B の直後には、B と R のどちらかが、それぞれ 0.9 と 0.1 の確率で光る。
この装置の光の点灯を情報源 S として、以下の問いに答えよ。
(1) 情報源 S は、一次のマルコフ情報源である。その状態遷移図を示せ。
(2) R, G, B それぞれが点灯する定常状態確率を求めよ。
(3) 情報源 S からの点灯系列を効率よく符号化して伝送したい。点灯を 2 つずつまとめて 0,1 からなる 2 元符号を割り当てる場合に、最も効率の良い符号を設計せよ。また、その時の 1 点灯あたりの平均符号長を求めよ。
(4) 同じ色の点灯が継続して続く傾向があることを考慮し、以下に示す 9 つの点灯のまとまりに対して 0,1 からなる 2 元符号の割り当てを行う場合、最も効率の良い符号を設計せよ。また、その時の 1 点灯あたりの平均符号長を求めよ。
RG, RRG, RRR, GB, GGB, GGG, BR, BBR, BBB
(5) この情報源 S の平均符号長はどこまで短くすることができるか。その最小値を求めよ。
(なお、計算に当たっては、log23=1.58, log25=2.32 を必要に応じて用いよ。)
Kai
(1)
(2)
定常確率を (πR,πG,πB) とすると、
0.2πR=0.1πG=0.1πB,πR+πG+πB=1.
したがって、
(πR,πG,πB)=(51,52,52).
(3)
P(Xn=i,Xn+1=j)=πiPij に対してハフマン符号を構成する。
| 点灯の組 | 確率 | 符号 |
|---|
| GG | 0.36 | 0 |
| BB | 0.36 | 10 |
| RR | 0.16 | 110 |
| RG | 0.04 | 1110 |
| GB | 0.04 | 11110 |
| BR | 0.04 | 11111 |
他の組の確率は 0 である。1 点灯あたりの平均符号長は
L2=20.36+2(0.36)+3(0.16)+(4+5+5)(0.04)=1.06 bit/点灯.
(4)
系列を指定されたまとまりに順次、重なりなく区切る。まとまりの先頭色の定常分布を μ とする。先頭色から末尾色への遷移行列 D と、通常の一段遷移行列 P は
D=.640.19.36.8100.19.81,P=.80.1.2.900.1.9.
次のまとまりの先頭色への遷移は DP なので、μ=μDP、∑iμi=1 より
μ=(μR,μG,μB)=622771(12773,24772,24732).
この分布に対するハフマン符号の一例は次のとおり。
| まとまり | 確率 | 符号 |
|---|
| RG | .2μR | 0101 |
| RRG | .16μR | 0000 |
| RRR | .64μR | 011 |
| GB | .1μG | 0100 |
| GGB | .09μG | 0010 |
| GGG | .81μG | 11 |
| BR | .1μB | 0011 |
| BBR | .09μB | 0001 |
| BBB | .81μB | 10 |
まとまりあたりの平均符号長と平均点灯数はそれぞれ
E[ℓ]E[N]=3.36μR+2.38μG+2.38μB=311385803684,=2.8μR+2.9μG+2.9μB=62277179326.
したがって、
Lv=E[N]E[ℓ]=6404557406≃0.8963 bit/点灯.
(5)
下限は情報源のエントロピー率である。h2(p)=−plog2p−(1−p)log2(1−p) とおき、指定の対数近似を用いると
H(S)=51h2(0.2)+54h2(0.1)=log25+2512−2536log23≃0.5248 bit/点灯.
十分長いブロックを符号化すれば、この値に任意に近づけられる。