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東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 2012年8月実施 専門 第4問

Author

祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)

Description

複数の無線端末が同一のアクセスポイントにアクセスする無線通信システムにおいては、多数の端末が同時に接続すると、そのスループットが劣化する。このため、最大同時接続数を制限してスループット劣化を防止することを試みる。

(1) スループットの劣化が起こる理由を定性的に示せ。

(2) 空港ターミナルのような場所では十分多数の端末が存在するので、接続はポアソン生起すると仮定できる。今、接続が生起率 2 [1/hour]2\ [1/\mathrm{hour}] でポアソン生起し、接続時間は平均 1 [hour]1\ [\mathrm{hour}] の指数分布に従うものとする。最大同時接続数を制限しないものとした場合の同時接続数の確率分布と平均同時接続数を求めよ。

(3) (2) において、最大同時接続数を 33 とした場合に接続に失敗する確率を求めよ。

(4) 次に、屋内会議室で利用する場合を想定して、端末数は有限であるとする。個々の端末は接続状態と無接続状態を交互に繰り返し、接続時間、無接続時間共に平均 1 [hour]1\ [\mathrm{hour}] の指数分布に従うものとする。それぞれの端末は独立にふるまうものとし、また接続に失敗した端末は再び上記の指数分布に従う無接続状態となるものとする。最大同時接続数を制限しない場合に、端末が接続状態にある確率を求めよ。また端末数が 44 台の場合に、同時接続数の確率分布と平均同時接続数を求めよ。また平均同時接続数が (2) の場合と一致することを示せ。

(5) (4) において、最大同時接続数を 44 とした場合に接続に失敗する確率を示せ。同様に (4) において、最大同時接続数を 33 とした場合に接続に失敗する確率を求め、それが (3) の場合に比べ小さくなる理由を説明せよ。

(6) 接続端末数が大きい場合にはアクセスポイントを増設することが考えられる。この際の留意点について「干渉」、「チャネル」の 22 つの用語を用いて簡単に記せ。

Kai

(1)

無線チャネルを多数の端末で共有するため、各端末が利用できる送信時間が減少する。また、送信の競合による衝突・再送やバックオフ待ちが増加し、有効なデータ転送に使える時間の割合が低下する。

(2)

同時接続数を XX とする。状態 nn での接続率は λ=2\lambda=2、切断率は nμ=nn\mu=n なので、定常分布は平均 λ/μ=2\lambda/\mu=2 のポアソン分布である。

Pr(X=n)=e22nn!(n=0,1,),E[X]=2.\boxed{\Pr(X=n)=e^{-2}\frac{2^n}{n!}\quad(n=0,1,\ldots),\qquad E[X]=2.}

(3)

待ち行列を持たない M/M/3/3M/M/3/3 系であり、ポアソン到着が満杯状態を観測する確率はその定常確率に等しい。したがって、

Pblock=23/3!n=032n/n!=419.\boxed{P_{\mathrm{block}}= \frac{2^3/3!}{\sum_{n=0}^{3}2^n/n!} =\frac{4}{19}.}

(4)

接続・無接続の平均時間が等しいので、各端末が接続中である定常確率は 1/21/2。よって、

Pr(X=n)=(4n)24(0n4),E[X]=412=2.\boxed{\Pr(X=n)=\binom4n2^{-4}\quad(0\le n\le4),\qquad E[X]=4\cdot\frac12=2.}

確率は n=0,1,2,3,4n=0,1,2,3,4 の順に (1,4,6,4,1)/16(1,4,6,4,1)/16 となり、平均は (2) と一致する。

(5)

上限が 44 のとき、接続を試みる端末以外は高々 33 台なので、失敗確率は 0\boxed{0}

上限が 33 のとき、状態 nn の接続試行率は 4n4-n、切断率は nn である。詳細釣合いから

(π0,π1,π2,π3)=115(1,4,6,4).(\pi_0,\pi_1,\pi_2,\pi_3)=\frac1{15}(1,4,6,4).

試行時点での失敗確率は、失敗試行率を全試行率で割って

Pblock=(43)π3n=03(4n)πn=44+12+12+4=18<419.\boxed{P_{\mathrm{block}} =\frac{(4-3)\pi_3}{\sum_{n=0}^{3}(4-n)\pi_n} =\frac{4}{4+12+12+4}=\frac18<\frac4{19}.}

有限の端末群では接続中の端末が増えるほど新たな接続試行率が低下するため、一定率で到着する (3) よりも失敗確率が小さくなる。

(6)

近接するアクセスポイントには、周波数帯域の重ならないチャネルを割り当て、相互の干渉を抑える。同一チャネルを再利用するときは、設置間隔や送信電力も調整する。