東北大学 理学研究科 物理学専攻 2018年8月実施 問題3(電磁気学)
Author
Miyake
Description
原題に基づく要約(日本語)
公式原題
[1] 帯電円環
半径 a の細い絶縁円環を原点中心の xy 平面に置き、正の線電荷密度 ρ で一様に帯電させる。真空の定数は ε0,μ0、観測点は P=(0,0,z)。
- 長さ dl の微小部分が P に作る電場の大きさを求める。
- 円の中心に対して反対側の同じ長さの部分と組み合わせ、合成電場の大きさと z>0,z<0 での向きを求める。
- 円環全体が作る電場を求める。
- a=ρ=ε0=1 として Ez(z) の概形を描く。
- 円環を正の角速度 ω で z 軸のまわりに回転させる。回転方向は右ねじが +z に進む方向とする。P の磁束密度を求める。
[2] 空洞共振器
完全導体で囲まれた 0<x<a, 0<y<a, 0<z<b の空洞を考える。a>b>0 とし、内部は無源の真空で Maxwell 方程式を満たす。Ex=Ey=0, Ez=X(x)Y(y)Z(z)sinωt とする。
- ∇⋅E=0 から、非零モードの Z が定数となることを示す。
- 波動方程式 ∇2E=ε0μ0∂t2E から X′′/X+Y′′/Y=−ε0μ0ω2 を導く。
- 左辺の各項を −kx2,−ky2 と置き、X,Y の一般解を求める。
- 導体表面の接線方向電場が0である条件を用い、Ez の正弦関数による表示と許される kx,ky を求める。
- このモードの最小共振角振動数 ω0 を求める。
- ω=ω0 における磁束密度 B を求める。

题目描述
【带电圆环】
半径为 a 的细绝缘圆环位于 xy 平面,圆心为原点,均匀正线电荷密度为 ρ,观察点为 P=(0,0,z),真空常数为 ε0,μ0。
- 求长度 dl 的圆环微元在 P 产生的电场大小。
- 将它与圆心对侧的等长微元配对,求合电场,并分别说明 z>0,z<0 时的方向。
- 求整个圆环的电场。
- 取 a=ρ=ε0=1,画出 Ez(z) 的概形。
- 令圆环绕 z 轴以正角速度 ω 转动,方向满足右手定则指向 +z,求 P 处的磁感应强度。
【空腔谐振器】
完全导体包围的真空空腔为 0<x<a, 0<y<a, 0<z<b,其中 a>b>0。内部没有电荷和电流,设 Ex=Ey=0、Ez=X(x)Y(y)Z(z)sinωt。
- 用电场无散条件证明非零模态的 Z 为常数。
- 由波动方程导出 X′′/X+Y′′/Y=−ε0μ0ω2。
- 令两项分别为 −kx2,−ky2,求 X,Y 的通解。
- 用导体表面切向电场为零的条件,写出正弦形式的 Ez 及允许的 kx,ky。
- 求该类模态的最低共振角频率 ω0。
- 求 ω=ω0 时的磁感应强度 B。
Kai
[1]
微小区間にある電荷は ρdl で、APの長さは a2+z2 であるから、
求める電場の大きさは
4πε01a2+z2ρdl
である。
z軸に垂直な成分は打ち消し合うことを考慮して、
求める電場の大きさは
4πε01a2+z2ρdla2+z2∣z∣⋅2=2πε01(a2+z2)3/2∣z∣ρdl
である。
また、電場の向きは、 z>0 のときは +z方向、
z<0 のときは -z方向である。
z方向の単位ベクトルを z^ として、
E=∫0πa2πε01(a2+z2)3/2zρdlz^=2πε01(a2+z2)3/2zρ⋅πaz^=2ε01(a2+z2)3/2azρz^
である。
a=ρ=ε0=1 とすると
Ez(z)=2(1+z2)3/2z,Ez′(z)=2(1+z2)5/21−2z2.
奇関数で、原点を通り、z→±∞ で 0 に近づく。極大点は (1/2,1/(33))、極小点は (−1/2,−1/(33)) である。

z方向の単位ベクトルを z^ として、
B=∫02πa4πμ0a2+z2aωρdla2+z2az^=∫02πa4πμ0(a2+z2)3/2a2ωρdlz^=4πμ0(a2+z2)3/2a2ωρ⋅2πaz^=2(a2+z2)3/2μ0a3ωρz^
である。
[2]
∇⋅E=0 より
0=∇⋅E=∂x∂Ex+∂y∂Ey+∂z∂Ez=∂z∂Ez=X(x)Y(y)dzdZ(z)sinωt
であるから、
dzdZ(z)=0
であり、 Z(z) は z に依存しない定数である。
波動方程式の z 成分の両辺に Ez(x,y,t)=X(x)Y(y)Zsinωt を代入すると、
dx2d2X(x)Y(y)Zsinωt+X(x)dy2d2Y(y)Zsinωt=−ε0μ0ω2X(x)Y(y)Zsinωt
であるから、
X1dx2d2X+Y1dy2d2Y=−ε0μ0ω2
を得る。
X1dx2d2X=−kx2, Y1dy2d2Y=−ky2
より、
dx2d2X=−kx2X, dy2d2Y=−ky2Y
であるから、 X,Y の一般解は、次のようになる:
{X(x)=Asinkxx+BcoskxxY(y)=Csinkyy+Dcoskyy.
ここで、 A,B,C,D は積分定数である。
(i) X(0)=0 より、 B=0 であり、
X(x)=Asinkxx
を得る。
Y(0)=0 より、 D=0 であり、
Y(y)=Csinkyy
を得る。
よって、
Ez=Asinkxx⋅Csinkyy⋅Zsinωt=Ez0sinkxxsinkyysinωt
を得る。
ここで、 Ez0=ACZ とした。
(ii) X(a)=0 より、
kx=aπnx (nx=1,2,⋯)
を得る。
Y(a)=0 より、
ky=aπny (ny=1,2,⋯)
を得る。
問2), 3)より、
−kx2−ky2=−ε0μ0ω2∴ ω2=ε0μ0kx2+ky2
である。
これに、問4)で得た kx=πnx/a,ky=πny/a を代入すると、
ω2=ε0μ0a2π2(nx2+ny2)
となる。
ω=ω0 となるのは nx=ny=1 のときなので、
ω02∴ ω0=ε0μ0a22π2=ε0μ0a22π2
を得る。
k=π/a とおけば、基本モードの電場は
E=Ez0sin(kx)sin(ky)sin(ω0t)z^,ω02=ε0μ02k2.
Faraday の法則 ∂tB=−∇×E を時間積分すると、共振に伴う振動磁場は
B=ω0Ez0k[sin(kx)cos(ky)x^−cos(kx)sin(ky)y^]cos(ω0t).
Bz=0 であり、直接微分すると ∇⋅B=0 と ∇×B=ε0μ0∂tE も満たす。共振とは無関係な静磁場の加算はここでは含めていない。
Reference