東北大学 理学研究科 天文学専攻 2025年度 物理(4)
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)
Description
質量 m、角振動数 ω の一次元調和振動子を考える。
(a)
波動関数を ϕ(x)、エネルギーを E として、時間に依存しない Schrödinger 方程式を書け。
(b)
無次元量
ξ=ℏmωx,ϵ=ℏω2E
を用いて方程式を無次元化せよ。
(c)
∣ξ∣ が大きいとき、規格化可能な波動関数が
ϕ(ξ)≃exp(−2ξ2)
と漸近することを示せ。
(d)
ϕ(ξ)=H(ξ)e−ξ2/2 とおき、H の微分方程式を求めよ。
(e)
H(ξ)=∑n=0∞anξn として、an の漸化式を求めよ。
(f)
規格化可能性から級数が有限次数で終わることを用いて、
En=ℏω(n+21)
を示せ。
z 方向の一様な磁場 B=Bez 中の電子を考える。スピンは無視し、電子の質量を m、電荷を −e とする。
(a)
電磁場が、任意のスカラー関数 λ に対する
ϕ′=ϕ+∂t∂λ,A′=A−∇λ
で不変であることを示し、この性質の名称を答えよ。
(b)
B=Bez を与え、Ax=Az=0 を満たす最も簡単な Ay を求めよ。
電子の Hamiltonian は
H^=2m1[p^+eA(x^)]2
とする。
(c)
z 方向の運動量 pz が保存することを示せ。
(d)
x–y 平面内では
H^=2m1[p^x2+(p^y+eAy)2]
となる。[p^y,H^]=0 を示せ。
(e)
p^y の固有値を ky とするとき、x 方向の運動が調和振動子に対応することを示せ。
(f)
量子化されたエネルギー準位(Landau 準位)を求めよ。
(g)
基底状態と第 n 励起状態のエネルギー差を
ΔEn=nX(1 TB)eV
と書き、X を有効数字1桁で求めよ。必要なら
ℏ=6.6×10−16 eVs,m=9.1×10−31 kg,e=1.6×10−19 C
を用いてよい。
(h)
ある天体の X 線スペクトルに、ほぼ等間隔の吸収構造が観測された。図の矢印の概略位置は次の通りである。これらを電子の Landau 準位によるものとして磁場 B を推定せよ。
| 吸収構造 | エネルギー |
|---|
| 1 | 約 28 keV |
| 2 | 約 55 keV |
| 3 | 約 80 keV |
Kai
(a)
−2mℏ2dx2d2ϕ+21mω2x2ϕ=Eϕ.
(b)
−dξ2d2ϕ+ξ2ϕ=ϵϕ.
(c)
ϕ=eS とおくと
−S′′−(S′)2+ξ2=ϵ.
∣ξ∣→∞ では (S′)2≃ξ2 だから S≃±ξ2/2。規格化可能な方を選び、
ϕ(ξ)≃e−ξ2/2.
(d)
代入すると
H′′−2ξH′+(ϵ−1)H=0.
(e)
係数比較により
(n+2)(n+1)an+2+(ϵ−1−2n)an=0,
すなわち
an+2=(n+2)(n+1)2n+1−ϵan.
(f)
級数が n=N で終わるには
2N+1−ϵ=0
が必要である。したがって
ϵN=2N+1,EN=2ℏωϵN=ℏω(N+21).
(a)
E′B′=−∇ϕ′−∂t∂A′=−∇ϕ−∂t∂A=E,=∇×A′=∇×A=B.
したがって電磁場は不変である。この性質を gauge invariance(ゲージ不変性)という。
(b)
A=(0,Bx,0)
とすれば (∇×A)z=∂Ay/∂x=B となる。
(c)
A と H^ は z に依存しないから
dtdp^z=iℏ1[p^z,H^]=0.
よって pz は保存する。
(d)
Ay=Bx は y に依存せず、[p^y,p^x]=[p^y,x^]=0 である。したがって
[p^y,H^]=0.
(e)
p^y の固有値を ky とすると
H^x=2mp^x2+2m(ky+eBx)2=2mp^x2+21mωc2(x+x0)2,
ただし
ωc=meB,x0=eBky.
よって中心が −x0 の調和振動子である。
(f)
問1の結果より
En=ℏωc(n+21)=mℏeB(n+21)(n=0,1,2,…).
(g)
ΔEn=nmℏeB=n(mℏe1T)(1TB).
したがって
X=9.1×10−31(6.6×10−16)(1.6×10−19)=1.16×10−4.
有効数字1桁で
X=1×10−4.
(h)
吸収構造の間隔は約 28 keV なので
B≃1.16×10−4 eV/T2.8×104 eV=2.4×108 T.
したがって
B≃2.4×108 T=2.4×1012 G.
Reference