東北大学 工学研究科 応用物理学専攻 2019年8月実施 [問題1] 量子力学
Author
Miyake
Description
質量 m の粒子が x 軸上で一次元ポテンシャルに束縛されている。以下の設問 (1)、(2) に答えよ。
(1)
一次元ポテンシャルを V(x)=kx2/2 とする。k は正の定数である。
a) 粒子の波動関数を ψ、エネルギーを E として、時間を含まない Schrödinger 方程式を書け。
b) 基底状態の固有関数は、定数 C0 を用いて
ψ0(x)=C0exp(−2ℏmkx2)
と表される。規格化条件から C0 を求めよ。次の公式を用いてよい。
∫−∞∞exp(−∣a∣x2)dx=∣a∣π.
c) 基底状態の固有エネルギー E0 を求めよ。
d) 基底状態における位置の量子力学的期待値 ⟨x⟩ がゼロとなることを示せ。
(2)
(1) のポテンシャルに微弱なポテンシャル U(x)=−Fx を加える。F は十分に小さい正の定数である。
a) U が加わった後の ⟨x⟩ を一次の摂動論を用いて求めよ。U が加わる前の第 n 励起状態の固有関数 ψn と固有エネルギー En は、次の関係を満たす。
∫−∞∞xψn∗(x)ψ0(x)dx=⎩⎨⎧(2mkℏ)1/2,0,n=1,n≥2,En−E0=nℏmk(n≥1).
ここで n は正の整数であり、ψn は奇関数もしくは偶関数である。
b) ⟨x⟩ の厳密解を求めよ。
题目描述
质量为 m 的粒子被束缚在 x 轴上的一维势中。
(1) 势能 V(x)=kx2/2,k>0。
a) 用波函数 ψ 和能量 E 写出定态 Schrödinger 方程。
b) 基态波函数为日文题面给定的 Gaussian 形式,由归一化条件求 C0,可使用题给 Gaussian 积分。
c) 求基态能量 E0。
d) 证明基态位置期望值 ⟨x⟩=0。
(2) 加入微弱势 U(x)=−Fx,其中 F 是充分小的正数。
a) 用一阶微扰论求加入 U 后的位置期望值。可以使用题面给出的矩阵元、能级差,以及每个 ψn 为奇函数或偶函数的性质。
b) 求 ⟨x⟩ 的精确解。
Kai
(1)
(a)
−2mℏ2ψ′′(x)+21kx2ψ(x)=Eψ(x)
(b)
1=∫−∞∞∣ψ0(x)∣2dx=∣C0∣2∫−∞∞exp(−ℏmkx2)dx=∣C0∣2mkπℏ=∣C0∣2(mkπ2ℏ2)1/4
であるから、
C0=(π2ℏ2mk)1/8
とすればよい。
(c)
ψ0′(x)ψ0′′(x)=−C0ℏmkxexp(−2ℏmkx2)=−ℏmkxψ0(x)=−ℏmkψ0(x)−ℏmkxψ0′(x)=−ℏmkψ0(x)+ℏ2mkx2ψ0(x)
より、
−2mℏ2ψ0′′(x)+21kx2ψ0(x)=2ℏmkψ0(x)−21kx2ψ0(x)+21kx2ψ0(x)=2ℏmkψ0(x)
であるから、
E0=2ℏmk
を得る。
(d)
⟨x⟩=∫−∞∞ψ0∗(x)xψ0(x)dx=C02∫−∞∞xexp(−ℏmkx2)dx
であるが、被積分関数は奇関数なので、
⟨x⟩=0
がわかる。
(2)
(a)
1次の摂動論で、基底状態の波動関数は、
ψ0(x)+n=1∑∞E0−Enψn(x)∫−∞∞ψn∗(x)U(x)ψ0(x)dx=ψ0(x)−Fn=1∑∞E0−Enψn(x)∫−∞∞xψn∗(x)ψ0(x)dx=ψ0(x)+Fℏ1km(2mkℏ)1/2ψ1(x)=ψ0(x)+C1ψ1(x)
である。
ただし、
C1=Fℏ1km(2mkℏ)1/2
とおいた。
C1=O(F) であり、ここでは期待値も F の一次まで求める。打ち切った状態のノルムは 1+C12 なので、厳密に規格化するなら 1+C12 で割る必要があるが、一次の結果には影響しない。よって、この次数では、
⟨x⟩=∫−∞∞(ψ0(x)+C1ψ1(x))∗x(ψ0(x)+C1ψ1(x))dx=2C1∫−∞∞xψ1∗(x)ψ0(x)dx=2Fℏ1km(2mkℏ)1/2(2mkℏ)1/2=kF
を得る。
(b)
V(x)+U(x)=21kx2−Fx=21k(x−kF)2−2kF2
であるから、シュレディンガー方程式は次のようになる:
−2mℏ2ψ′′(x)+21k(x−kF)2ψ(x)=(E+2kF2)ψ(x)
ここで、
ξ=x−kF, ϕ(ξ)=ψ(ξ+kF)
とおくと、
−2mℏ2ϕ′′(ξ)+21kξ2ϕ(ξ)=(E+2kF2)ϕ(ξ)
となるから、 (1) d) と同様にして、
⟨ξ⟩=0
がわかる。
よって、
⟨x⟩=kF
を得る。
Reference