大阪大学 基礎工学研究科 数理科学 (システム創成専攻) 2024年度 数理科学 [II-4]
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)
Description
f:R→R は ∣f(z1)−f(z2)∣≤∣z1−z2∣ を満たす。a∈R とし、t≥0 に対して
x1(t)=a,xn+1(t)=a+∫0tf(xn(s))ds
と定める。T>0 に対し C([0,T]) を [0,T] 上の実数値連続関数全体とし、そのノルムを ∥x∥T=max0≤t≤T∣x(t)∣ とする。この空間の完備性を用いてよい。
(1) 任意の T>0,n≥1 について ∥xn+1−xn∥T≤Tn∣f(a)∣ を示せ。
(2) a に依存しない T0>0 と x∈C([0,T0]) があり、xn→x が一様収束することを示せ。さらに x(0)=a、x′(t)=f(x(t))(0<t<T0)を示せ。
(3) x(t)=a+∫0tf(x(s))ds をすべての t∈[0,T] で満たす x∈C([0,T]) が存在するような T>0 の上限を Tm(a) とする。背理法により Tm(a)=∞ を示せ。
Kai
(1)
∥x2−x1∥T=T∣f(a)∣。リプシッツ条件から
∣xn+2(t)−xn+1(t)∣≤∫0t∣xn+1(s)−xn(s)∣ds≤T∥xn+1−xn∥T.
従って帰納法により結論を得る。
(2)
T0=1/2 とする。m>n に対して
∥xm−xn∥T0≤∣f(a)∣j=n∑m−1T0j≤2∣f(a)∣2−n⟶0.
完備性により一様極限 x∈C([0,T0]) が存在する。また f のリプシッツ性から f(xn)→f(x) も一様なので、積分の極限を取ると
x(t)=a+∫0tf(x(s))ds.
これより x(0)=a。被積分関数が連続なので x′=f(x) である。
(3)
Tm(a)<∞ と仮定する。上限の定義から、Tm(a)−T0/2<T≤Tm(a) で解 x が存在するように T を選べる。(2)を初期値 x(T) に適用すると、同じ長さ T0 の区間上に解 y が存在する。
[0,T] では x(t)、[T,T+T0] では y(t−T) と定めれば、接続点で値が一致し、全区間で積分方程式を満たす。ところが T+T0>Tm(a) となり上限の定義に矛盾する。よって Tm(a)=∞。