大阪大学 基礎工学研究科 数理科学 (システム創成専攻) 2022年度 数理科学 II [4]
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)
Description
n を自然数とし、Mn を n 次実正方行列全体とする。y=(y1,…,yn)T∈Rn に対し ∣y∣=(∑j=1nyj2)1/2 と定め、このユークリッドノルムを用いて
∥A∥=∣x∣=1sup∣Ax∣,d(A,B)=∥A−B∥
と定める。O,I は零行列と単位行列である。
(1) d が距離であることを示せ。
(2) ∥AB∥≤∥A∥∥B∥ を示せ。
(3) ∥A∥<1 とし、Bk=I+∑j=1kAj とおく。(a) Ak→O、(b) Bk の極限が存在して (I−A)−1 に等しいことを示せ。(Mn,d) の完備性は用いてよい。
Kai
(1)
単位球面はコンパクトなので ∥A∥ は有限。非負性・対称性は明らかである。∥A−B∥=0 なら各標準基底 ej に対して (A−B)ej=0、ゆえに A=B。
また ∣(A−C)x∣≤∣(A−B)x∣+∣(B−C)x∣ について ∣x∣=1 の上限をとると三角不等式を得る。
(2)
任意の y について ∣Ay∣≤∥A∥∣y∣。よって ∣ABx∣≤∥A∥∥B∥∣x∣ であり、∣x∣=1 の上限をとればよい。
(3)
r=∥A∥<1 とおく。
(a) (2) より ∥Ak∥≤rk→0。
(b) ℓ>k なら
∥Bℓ−Bk∥≤j=k+1∑ℓrj≤1−rrk+1→0.
完備性より Bk→B が存在する。一方
(I−A)Bk=Bk(I−A)=I−Ak+1⟶I.
(2) により行列積は連続なので (I−A)B=B(I−A)=I。ゆえに B=(I−A)−1。