大阪大学 情報科学研究科 情報基礎数学専攻 2020年8月実施 数学4-5
Author
Miyake
Description
Kai
(1)
A の列ベクトル
a1=(−5−2),a2=(3a−3b+14a−b+4),a3=(156)
を見ると、 a3=−3a1 であるが、
a,b が何であっても
a2 は a1 の実数倍で表せない。
したがって、 A の像は2次元であり、核 V は1次元である。
核 V を求めるために、次のようにおく:
(−5−23a−3b+14a−b+4156)xyz=(00)
これが成り立つのは −x+3z=0,y=0 のときであり、
したがって、 V の基底はたとえば、
v=301
である。
(2)
B の列ベクトルを次のように書く:
b1=123,b2=−3a−b3a+b3a+b=(3a+b)b2′
ここで、
b2′=−111
であり、 b1,b2′ は1次独立である。
3a+b=0 のときは、 W は1次元であり、
b1 が基底になる。
3a+b=0 のときは、 W は2次元であり、
b1,b2′ が基底になる。
(3)
v は (1) の通りとし、
b1,b2′ は (2) の通りとする。
v,b1 は1次独立なので、
3a+b=0 のときは、 V+W は V と W の直和になる。
v=b1−2b2′
なので、
3a+b=0 のときは、 V+W は V と W の直和にならない。
したがって、求める条件は 3a+b=0 である。
A の固有値を λ とすると、
0∴ λ=det−1−λ4−31−1−λ2001−λ=−(λ+3)(λ−1)2=−3,1
を得る。
固有値 −3 に対応する固有ベクトルを求めるため、
−1+34−31−1+32001+3xyz=000
とおくと、 2x+y=0,−3x+2y+4z=0 なので、
v1=4−87
は固有値 −3 に属する固有ベクトルである。
固有値 1 に対応する固有ベクトルを求めるため、
−1−14−31−1−12001−1xyz=000
とおくと、 −2x+y=0,−3x+2y=0 したがって x=y=0 なので、
v2=001
は固有値 1 に属する固有ベクトルである。
固有値 1 に属する v2 と1次独立な固有ベクトルは存在しない。
固有値 1 に属する広義固有空間(一般固有空間)の v2 と1次独立なベクトルを求めるため、
−1−14−31−1−12001−1xyz=001
とおくと、 −2x+y=0,−3x+2y=1 したがって x=1,y=2 なので、
v3=120
は固有値 1 に属する広義固有空間(一般固有空間)の v2 と1次独立なベクトルであり、
Av3=v2+v3
を満たす。
以上より、
v1,v2,v3
は R3 の基底であり、
Av1=−3v1, Av2=v2, Av3=v2+v3
を満たす。
したがって、任意の v∈R3 に対して
v=av1+bv2+cv3
であるような a,b,c∈R が一意的に存在し、
AvA2v=−3av1+(b+c)v2+cv3,=9av1+(b+2c)v2+cv3
が成り立つ。
a=0 かつ b=0 かつ c=0 のときは、
v,Av,A2v
は1次独立なので、
このような v は求める2次元部分空間に含まれない。
さらに、
A(av1+bv2)A(av2+cv3)A(bv2+cv3)=−3av1+bv2,=−3av1+cv2+cv3,=(b+c)v2+cv3
であるから、求める2次元部分空間は、
「 v1 と v2 によって張られる部分空間」
と
「 v2 と v3 によって張られる部分空間」
の2つであることがわかる。