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大阪大学 情報科学研究科 情報基礎数学専攻 2020年8月実施 数学4-5

Author

Miyake

Description

Kai

4.

(1)

の列ベクトル

を見ると、 であるが、 が何であっても の実数倍で表せない。 したがって、 の像は2次元であり、核 は1次元である。

を求めるために、次のようにおく:

これが成り立つのは のときであり、 したがって、 の基底はたとえば、

である。

(2)

の列ベクトルを次のように書く:

ここで、

であり、 は1次独立である。

のときは、 は1次元であり、 が基底になる。

のときは、 は2次元であり、 が基底になる。

(3)

は (1) の通りとし、 は (2) の通りとする。

は1次独立なので、 のときは、 の直和になる。

なので、 のときは、 の直和にならない。

したがって、求める条件は である。

5.

の固有値を とすると、

を得る。

固有値 に対応する固有ベクトルを求めるため、

とおくと、 なので、

は固有値 に属する固有ベクトルである。

固有値 に対応する固有ベクトルを求めるため、

とおくと、 したがって なので、

は固有値 に属する固有ベクトルである。

固有値 に属する と1次独立な固有ベクトルは存在しない。 固有値 に属する広義固有空間(一般固有空間)の と1次独立なベクトルを求めるため、

とおくと、 したがって なので、

は固有値 に属する広義固有空間(一般固有空間)の と1次独立なベクトルであり、

を満たす。

以上より、 の基底であり、

を満たす。 したがって、任意の に対して

であるような が一意的に存在し、

が成り立つ。 かつ かつ のときは、 は1次独立なので、 このような は求める2次元部分空間に含まれない。 さらに、

であるから、求める2次元部分空間は、 「 によって張られる部分空間」 と 「 によって張られる部分空間」 の2つであることがわかる。