大阪公立大学 理学研究科 物理学専攻 2025年度 物理学 II-2
Author
祭音Myyura (co-authored with GPT 5.6 SOL)
Description
以下は公式問題の要約である。
N 個のスピン si=±1 からなる強磁性 Ising 模型
H=−J(i,j)∑sisj(J>0)
を平均場近似で考える。配位数を z、平均磁化を m とし、
Hi=−zJmsi
と近似する。
- ⟨si⟩ を求め、自己無撞着方程式を導け。
- 全エネルギー E(m) を求めよ。
- 微視的状態数 W(m) とエントロピー S(m) を求めよ。
- F=E−TS の極値条件から自己無撞着方程式を導け。
- Tc=zJ/kB、x=(Tc/T)m として、T≷Tc における解を図示・説明せよ。
- T<Tc での正の非零解を x0、m0=(T/Tc)x0 とおく。自由エネルギーを最小にする m は、T>Tc では 0、T<Tc では ±m0 となることを示せ。
- T→0 における m0 の極限値を求めよ。
- T≤Tc かつ ∣T−Tc∣≪Tc において、m0≃3(Tc−T)/Tc を示せ。
Kai
(1)
⟨si⟩=eβzJm+e−βzJmeβzJm−e−βzJm=tanh(βzJm).
したがって
m=tanh(kBTzJm).
(2)
各結合を二重に数えないようにすると
E(m)=21i∑(−zJmsi)=−21NzJm2.
(3)
N±=2N(1±m),W(m)=N+!N−!N!.
Stirling の公式より
S(m)=2NkB[2log2−(1+m)log(1+m)−(1−m)log(1−m)].
(4)
dmdF=NkB(Ttanh−1m−Tcm).
dF/dm=0 より
tanh−1m=TTcm,m=tanh(TTcm).
(5)
a=T/Tc とすれば ax=tanhx である。y=tanhx は原点で傾き 1 の奇関数なので、グラフの交点は

T>Tc (a>1)T=Tc (a=1)T<Tc (a<1)x=0x=0x=0, ±x0
となる。x>0 では tanhx は狭義凹関数であり、tanhx/x は 1 から 0 まで単調に減少するため、0<a<1 のとき正の交点は一つだけである。
(6)
F′′(m)=NkB(1−m2T−Tc).
T>Tc では F′′>0 だから最小点は m=0。T<Tc では F′′(0)<0 であり、m=±m0 が最小点である。ただし
m0=TcTx0.
0<T<Tc では F′(m) は 0<m<m0 で負、m0<m<1 で正である。F は偶関数なので、±m0 はともに大域的最小点となる。T=Tc では F′′(m)≥0 であり、最小点は m=0 のみである。
(7)
T/Tc→0 では x0→∞ なので
m0=tanhx0⟶1.
(8)
x0≪1 として tanhx0≃x0−x03/3 を用いると
TcTx0=x0−3x03,x02=Tc3(Tc−T).
m0=(T/Tc)x0≃x0 より
m0≃Tc3(Tc−T).
Reference