名古屋大学 多元数理科学研究科 2022年2月実施 1日目 [2]
Author
江澤 樹
Description
t を実数とし, 以下の行列 A について考える.
A=t2+1010−t2−210−10−t2−1
(1) A の階数を求めよ.
(2) A の固有値を求めよ.
(3) A が対角化可能であるための必要十分条件を求めよ.
题目描述
设 t∈R,考虑矩阵
A=t2+1010−t2−210−10−t2−1.
- 求 A 的秩。
- 求 A 的全部特征值。
- 求 A 可对角化时 t 满足的充要条件。
- 含参数矩阵的秩:依据行列式及特殊参数下的行列关系分类。
- 特征值:利用矩阵的分块结构求特征多项式和全部特征值。
- 矩阵对角化判据:分析重特征值对应的几何重数,确定参数导致 Jordan 块出现的情形。
Kai
(1) では行列式を計算して, rankA<3 となる t を絞り込むことから考えた. (2) は単純な計算であった. 重複度については (3) の解答で議論している. (3) は (2) で求めた固有値の重複の可能性を考え始め, 各固有値につて重複度と固有空間の次元と比較している.
(1)
まず, A の行列式が
∣A∣=t2+1010−t2−210−10−t2−1=21t2(t2+2)(2t2+1)
と計算できる. よって, t が実数であることに注意すれば t=0 のときに限り ∣A∣=0 となり, rankA=3 となる. また, t=0 のときは
A=1010−210−10−1
となるが, これは A の各行に注目すれば rankA=2 となっていることがわかる. よって
rankA={32(t=0)(t=0)
と求まる.
(2)
A の固有多項式は x を不定元として
∣xI−A∣=x−(t2+1)0−10x−(−t2−21)010x−(−t2−1)=(x+21(2t2+1))(x2−t2(t2+2))
と計算できるため A の固有値は
−21(2t2+1), ±t2(t2+2)
と求まる(これらは重複している可能性もあるが, それは (3) において決定する).
(3)
求める条件は「t=0」である. よく知られているように, 正方行列が対角化可能であるための必要十分条件は「各固有値の(固有多項式の根としての)重複度と固有空間の次元が一致している」ことである (齋藤正彦, 線型代数入門, 東京大学出版会. p.136). このことに注意して, (2) で求めた A の固有値の重複の可能性から議論し, 固有空間の次元と比較する.また, ここでは固有値 λ についての固有空間を Vλ と書くことにする.
まず, −(2t2+1)/2≤−1/2 かつ t2(t2+2)≥0 よりこの2つが一致することはない.
さらに, −(2t2+1)/2=−t2(t2+2) を解くと t=±1/2 である.
そして, ±t2(t2+2) が一致し1つの実数を表すのは t=0 のときに限る.
以上により, まず, (i) t=±1/2,0 のとき固有値に重複がないため A は対角化可能である.
さらに, (ii) t=±1/2 のとき
A=45010−430−10−45,V−3/4=⟨102,010⟩,V3/4=⟨201⟩
から各固有値 ±3/4 について重複度と固有空間の次元は一致している. よって, A は対角化可能である. そして, (iii) t=0 のとき
A=1010−210−10−1,V−1/2=⟨010⟩,V0=⟨101⟩
から固有値 0 について重複度は 2 で, 固有空間の次元が 1 だから A は対角化可能でない. 以上 (i),(ii),(iii) により A が対角化可能であるための必要十分条件は
である.